ソウル北東部、朝鮮王陵40基の1つ「泰陵(テルン)」の近くにひっそりと佇んでいる、旧国鉄・京春線(キョンチュンソン)の花郎台(ファランデ)駅は、1939年に泰陵駅という駅名で開業した小さな簡易駅。今も開業当時の姿そのままで地元の人たちに利用されています。
清凉里(チョンニャンニ)駅と南春川(ナムチュンチョン)駅を結ぶ京春線は現在、上下線あわせて1日38本のムグンファ号が走っていますが、そのうち花郎台駅に停車するのはわずか7本だけ。しかし、そんな花郎台駅に列車がとまる日も残りわずかとなりました。
長い間、工事が行われていた京春線は、いよいよ今年12月21日に春川(チュンチョン)駅まで電鉄化して開通する予定です。 その際に一部の区間が新線に移行され、新線に含まれない花郎台駅は12月20日をもってその役目を終えることになってしまいました。
昨年、京義線(キョンイソン)が電鉄化された時に、ソウルにいくつか残っていた簡易駅も大きな駅に生まれ変わったため、花郎台駅はソウル最後の簡易駅となっていました。しかし、そんな花郎台駅まで無くなってしまうとの事で、今、密かに注目が集まっています。
駅舎は文化財に指定されているため保存されますが、今後、城北(ソンブッ)駅から花郎台駅にかけてのカーブ区間には公園が造られる予定です。 将来、公園で遊ぶ子どもに「昔はここを汽車が通っていたんだ」と語りかけても、子どもたちは信じられないでしょうね。
緑豊かな景色の単線を走り去るムグンファ号をソウルで見られるのもあと4ヶ月。 来年の夏にはもう列車が走る事はない花郎台駅、最後の夏を迎えています。
コネスト韓国地図: 花郎台駅
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