鮮やかで繊細な刺繍や、絶妙な色の組み合わせが素敵なポジャギ。大学路(テハンノ)にあるソウル大学歯医学博物館では、日本でも人気の伝統手工芸品を展示した特別展「こんなに美しいなんて-閨房文化を世界に知らせたパク・ヨンスク展」が開催中です。
主に朝鮮時代、女性たちの部屋を意味する「閨房(キュバン)」で作られたことから、韓国では「閨房工芸」と言われる刺繍やポジャギ。現代では伝統薫るインテリアとして人気の閨房工芸ですが、かつては宮中から庶民まで、日常生活や儀式の中で使用されていた日用品だったそう。
ひと針ひと針に、長寿や幸福など作り手である女性たちの思いが込められているポジャギ。生活用品をこんなにも美しく作り上げた当時の女性たちのセンスには驚かされます。
こちらは伝統衣装のチマチョゴリ(韓服、ハンボッ)を着る際に、女性や子どもたちが履いたコッシンと呼ばれる靴。つま先からかかとまで隅々に花や鳥などの刺繍が施されています。こんな素敵な靴を履いたら、自然と足取りも軽くなりそう!
コッシンの中に履いたポソンと呼ばれる靴下にも、苺をポイントにした可愛らしい刺繍が。今から200年前の19世紀にも、女性たちは足元のお洒落を楽しんでいたんですね。
ポジャギの他にも屏風や伝統衣装など、貴重な遺物が60点以上展示されている特別展は、7月30日まで開催中。7月15日には、日本語堪能な韓国刺繍博物館館長と対話形式で行なわれるイベントも(要予約)。韓国の伝統工芸に関心のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
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