日に日に寒さを感じるようになり、街のあちこちで少しずつ冬支度が始まっているソウルです。「練炭配達行事」もそのひとつ。
ガスを使ったオンドルや電気を使ったヒーターなどが暖房の主流ですが、練炭も暖房燃料としてまだまだ使用されています。特に再開発地区に指定されているような昔ながらの町並みが残る界隈では、暖房の主役は練炭だと言っていいかもしれません。
使い終わった練炭は粉々に割って、雪道や凍った道に撒くと、すべり止めの役割を果たすのだとか。生活の知恵であるとともに、ノスタルジーを感じる冬の風景です。
「練炭配達行事」は独居老人や生活保護受給世帯を対象に、練炭を無償配布するというもの。地方自治体、企業、学校などがボランティアとして参加し、自動車の通行も難しい入り組んだ路地や急傾斜の多い地区に練炭を人力で配達していきます。
この11月からは1つ403ウォンだった練炭が489ウォンと30%近く上昇。1日に4つ使用したとして11月から4月はじめまで5ヶ月あまり、家計への負担が大きくのしかかります。そのため政府は低所得層に対して、一世帯あたり15万ウォン相当の練炭クーポンを配布するとしました。
寒い冬を暖かく過ごせますように…思いも共に届くようにと、練炭を運ぶボランティアにも力がこもります。「練炭配達行事」は本格的な冬到来を前に全国各地で実施されていく予定です。
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