最近、韓国の地下鉄駅などでよく見かける矢印マーク。実は10月1日から、全国の地下鉄や空港などの交通施設や公共機関では右側通行の試行がスタートしています。元々は右側通行だった韓国。日本植民地時代に歩行者の左側通行が定められて以来、右側通行への変更は実に88年ぶりとのこと。
駅構内の階段にも所々に「右側通行」と書かれたステッカーが。試行から約1カ月が経とうとしている現在のところ、積極的な呼びかけのおかげか、なかなか順調に歩行文化が変わり始めている様子です。
韓国の歩行文化といえば、駅構内のエスカレーターでの立ち方も独特。日本では急いでいる人のために片側を空けますが、韓国では「2列並び」が勧奨されています。「パルリ、パルリ(早く、早く)」が口癖の人が多い韓国で、追い越しができない「2列並び」は少し意外?!
しかし、これは安全が優先された結果。幅が狭いうえ動いているエスカレーターでは、軽くぶつかっただけで大勢が倒れるドミノ倒しなどの事故が起こる危険性があるからです。
一方、屋外に出てみると、横断歩道や一般歩道では、まだ左側通行が一般的。来年7月の本格実施に向け徐々に変更されていくようです。歩道では右側通行になることで歩行者は走行中の車と向かい合わせに。危険を避けやすくなることで、交通事故の大幅な減少が期待されています。
右利きの人が大部分のため身体的な特性面でも負担が少ないという右側通行。衝突回数も7~24%減少するなど様々な利点があるようです。
変わりつつある韓国の歩行文化。目を向けてみると、面白い発見があるかもしれませんよ。
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