切り立った岩が目に迫る。雪岳山(ソラッサン)は、韓国3位の高さを誇る大青峰(テチョンボン)を中心とした一帯の山々を指す。ソウルから東へ3時間、韓国ならではの自然を湛えたこの地を訪ねた。
大陸の山らしい荒くれだった岩の道を登る。近道は見つからない。硬い岩の上を、少しずつ足を進めるだけだ。
恐竜稜線(コンリョンヌンソン)は起伏の激しさからその名がついた。一歩踏み外せば真っ逆さまだ。額に汗が滲み、綱を持つ手に力がこもる。
気づけば、先程まで見上げていた山々と同じ高さに来ていた。視界の彼方まで続く霧。竜の背を伝い、天に昇ったような錯覚に襲われる。
霧が晴れると岩肌がくっきりと現れた。濃い緑に覆われた雪岳山は、威厳に満ちていながら、どこか穏やかな顔も見せる。
生命の息吹はそこかしこに溢れている。葉から落ちる雫は、ひんやりと冷たい自然のシャワーだ。
季節ごとに表情を変える雪岳山。自然の厳しさと生命の眩しさ、両者が調和をなす初夏の雪岳山の懐へと、さあ。 関連記事: 雪岳山国立公園
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