はるかにソウルNタワーを望むこの高台は、東大門(トンデムン)に近い昌信洞(チャンシンドン)。マンションやビルが林立するソウルでは数少なくなった「タルトンネ(月の町)」と呼ばれる地域のひとつです。
見上げていると首が痛くなってきそうな急勾配の階段は、タルトンネでおなじみの存在。月明かりが目に浮かぶ、ロマンチックな名前とは裏腹に、高台にあるタルトンネでは思いのほか厳しい生活環境が待っています。細道も多く移動は「エッチラオッチラ」と徒歩が基本。
しかし、車両が立ち入りにくい場所だけに、昔ながらの建物や懐かしい雰囲気が残っているのがタルトンネの魅力。「ねえ、今日の夕飯、何にする~?」そんなお母さんたちの会話が聞こえてきそう。
カメラを向けると天真らんまんの笑顔で近づいてきた日焼けがまぶしい子どもたち。ランニングシャツで走り回る男の子を大都市ソウルの真ん中で見かけるなんて、何だか新鮮!
そんなタルトンネで、ふと後ろを振り返ってみると、ふもとには企業ブランドがでかでかと掲げられた高層マンション。じわりじわりと近づいてきている、再建築・再開発の足音。明るく輝く月を、あとどのくらいここから眺められるのでしょうか?
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