李大統領新年演説「北は軍事的冒険主義放棄を」

【ソウル３日聯合ニュース】李明博（イ・ミョンバク）大統領は３日、新年特別演説を行い、「北朝鮮は核と軍事的冒険主義を放棄せねばならない」と述べ、挑発には断固かつ強力な制裁で対応する考えを示した。北朝鮮が韓国の領土を少しでも狙うようにさせてはならないとし、「われわれの生命と財産を脅かすいかなる挑発も許すことはできない」と述べた。

　李大統領は北朝鮮による昨年１１月の仁川・延坪島砲撃を受け、国防改革にさらに拍車をかける考えを示し、「一つになった国民こそ最上の安保」だと、団結を呼びかけた。

　また、北朝鮮住民を自由と繁栄に向けた道に加えるための努力も傾けるべきだとの考えを示した。これからはしっかりとした安保を土台に平和政策と統一政策を策定し、実践すべきだと述べた。

北朝鮮との対話については、「対話の門はまだ閉ざされていない」とし、北朝鮮が真摯（しんし）な姿勢を示すのであれば、韓国は国際社会とともに経済協力を画期的に発展させていく意志と計画が整っていると述べた。北朝鮮は言葉でなく、行動で平和と協力に向けた努力を示すべきだと強調した。

　北朝鮮の挑発と核開発と関連しては、「関連国の公正かつ責任ある役割がいつになく重要だ」と強調。国際社会も北朝鮮が核を放棄し、共栄の道を進むことができるよう、ともに努力すべきだと述べた。

　李大統領は、安保問題と並ぶ国政運営のもうひとつの軸として、経済を挙げた。ことしの経済運営目標として、５％台の高成長、物価上昇率を３％水準とする物価安定、良質の雇用創出および庶民・中産層の生活向上を提示した。

　李大統領は、国民が肌で感じる物価の管理に特に気を配り、農産物生産量予測システムを科学化し、農産物流通構造を見直すとした。また、基幹技術開発に向けた総合支援策を強化し、韓国経済の潜在成長率を高め、未来競争力も確保していくと明らかにした。

　自由貿易協定（ＦＴＡ）と関連しては、世界の「通商中心国」になるための強力な手段だと説明し、ＦＴＡを土台に世界での経済領域を広げるべきだと強調した。特に、昨年末に最終妥結した米国とのＦＴＡは、韓国が世界の通商中心国に跳躍する象徴的・実質的な契機になるとし、日本、中国とのＦＴＡも推進に拍車をかけると表明した。

　また、大企業と中小企業の同時成長政策を持続的に推進すると表明。中小企業を同時成長のパートナーとみなして緊密に連携し、世界に通用する競争力を備えさせると説明した。

　このほか、社会の高齢化・二極化の根本的な対策として、「生活の質の先進化」を提示した。雇用、教育、福祉、文化、生活体育、社会奉仕、安全を組み合わせた総合的な対策・戦略を整えるとした。