＜Ｇ２０＞サミット成功のカギは、不均衡是正の参考指針

【ソウル１０日聯合ニュース】２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会合（金融サミット）が１１日、ソウルで開幕する。世界経済の不均衡是正のための参考指針が、サミット成功のカギと目される。
　Ｇ２０各国はそれぞれの立場を強く打ち出し、経常収支の数値目標導入に対する見解の溝は埋められていない。ただ、各国とも通貨安競争の激化を警戒しているため、米国が提示した仲裁案でまとまる可能性が高いとみられる。

　企画財政部とＧ２０準備委員会によると、Ｇ２０財務次官は８日から、サミットで採択する「ソウル宣言」の草案をめぐる調整を進めてきた。経常収支数値目標など為替問題を含む持続可能かつ均衡ある成長に向けた協力体制を除いては、主な議題で事実上、妥結したという。政府筋は「全体的に議論は順調に進んだが、経常収支問題を扱うフレームワークでは意見の差が大きく、接点を探るのが難しい状態」だと伝えた。ソウル宣言に盛り込む各種内容について、調整を残すのは経常収支問題だけとなった。

　ただ、各国とも、ソウル・サミットでは先月に慶州で開かれた主要２０カ国・地域（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議より進展した内容を打ち出すことに共感しており、柔軟な形の合意を通じた劇的な妥結が予想される。

　米国のガイトナー米財務長官も、従来の強硬な立場から脱し、過度な貿易黒字と赤字を監視する早期警報体制の必要性を強調しながら、各国経常収支の是正に向けた協力措置に関する参考指針を、国際通貨基金（ＩＭＦ）に一任することを提案した。

　これに伴い、ソウル宣言では、経常収支を国内総生産（ＧＤＰ）比でどれだけ減らすというような具体的数値基準は提示せず、米国側の仲裁案を受け入れ、早期警戒体制の構築や合意期限が盛り込まれる可能性が大きいと伝えられた。来年上半期に開かれるＧ２０財務相・中央銀行総裁会議でＩＭＦの分析結果を報告し、１１月に仏パリで開催されるＧ２０サミットまでに合意する方向で進められそうだ。