北が欧米観光客の金剛山観光を許可、２９日から実施

【北京２３日聯合ニュース】北朝鮮が中国人に続き、欧米観光客にも金剛山観光を許可し、２９日から観光が実施される見通しだ。８月からは現代峨山の投資で開発された金剛山の外金剛地域も欧米観光客に開放する予定で、事業権侵害をめぐる議論を呼びそうだ。

中国・北京に本部を置く北朝鮮観光専門旅行会社の高麗観光は２３日、金剛山観光が含められた７泊８日（２９日から来月６日まで）の北朝鮮観光商品を販売していると明らかにした。

この商品は、北京から平壌入りし、美術製作所の万寿台創作社や凱旋（がいせん）門など平壌市内や元山を観光し、４日目に金剛山を訪問する。金剛山では外郭にある別金剛を訪れ、観光客らは侍中湖周辺の宿泊施設に泊まる予定だ。金剛山観光を終えてからは平壌に戻り、北朝鮮が１９６８年にだ捕した米国海軍情報艦「プエブロ」を見学し、開城で高麗遺跡地を見物後、平壌から北京に戻る。

現代峨山が金剛山観光に対する包括的な事業権を持っているが、別金剛にはほとんど投資していないことから、高麗観光の別金剛観光商品は事業権侵害の問題がないとみられる。　　　

問題は高麗観光が現在募集している８月７日から１７日までの１０泊１１日間の商品。この商品には外金剛観光が含められている。高麗観光はホームページで、外金剛は現代が韓国人観光客誘致のため、（登山路などを）開発し、（温井閣などの施設物を）運営していた場所だが、南北関係の悪化などで暫定的に閉鎖された後に北朝鮮当局が新しくープンしたと紹介している。

北朝鮮の魚雷攻撃による韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件で南北間の緊張が高まっているなか、北朝鮮は４月末、現代峨山の主な外金剛観光施設に対する凍結措置を取り、韓国人観光客の金剛山観光は中断されている。

こうしたなか、中国旅行社（ＣＴＳ）総社、北京中国国際旅行社（ＣＩＴＳＢＪ）など中国の旅行会社７社は、先月２７日から中国人を対象とする外金剛観光を実施している。平壌、元山、外金剛、開城を回る５泊６日のツアーで、料金も５３８０人民元（約７万１０００円）と割高な上、繁華街などを見て回る都市観光を好む中国人にはあまり人気がない。２～３週間隔で３０人の中国人観光客がこのツアーに参加しているという。

しかし、外金剛観光では現代峨山などの投資で建てられた施設や登山路などを利用するため、事業権侵害の可能性があり、韓国政府は中国政府に対し旅行自制を求めたが、受け入れられなかった。文化体育観光部は先月１８日、中国の国家旅游局に公式文書を送り、北朝鮮が温井閣、文化会館など金剛山観光地区内の韓国側資産を凍結、没収したのは契約違反だと説明し、北朝鮮が違法行為を撤回するよう協力を求めた。また、金剛山の内金剛、外金剛、海金剛などの地域を中国人向け観光コースから除外するよう要請した。

北京の消息筋は、「北朝鮮当局は、外金剛観光に対する中国人の反応が期待に及ばなかったため欧米観光客にも開放することを決めたようだ」とし、事業権侵害をめぐる議論が高まるだろうと予想した。

北朝鮮は１９８７年以降、欧米観光客の入国を制限的に許可している。