春分の日連休、ことしは流通業マーケティング熱下火

日本の春分の日連休（２０～２２日）を控え、本来なら韓国流通業界も日本人の顧客を狙い多忙となるはずが、ことしはマーケティング熱気が例年ほどではないようだ。

昨年の春分の日連休には日本人観光客が大挙韓国を訪れ、主要百貨店は週末の売り上げが軒並み２０～３０％増加したが、ことしは昨年ほどの訪韓者数は期待できないとの見通しが出ている。

ある旅行会社は、この連休の旅行商品を予約した顧客を含め、第１四半期に誘致した日本人観光客数は、前年同期より約１０％少ないと見込む。別の旅行会社では、第１四半期の日本人観光客数は前年同期比４９％の急減という悲観的な見通しを示した。ただ、この会社は春分の日連休に韓国内で韓流スターのファンミーティングを開くなど積極的な日本人誘致策を展開、昨年より８％ほど多い日本人を誘致できると予想している。

業界では、日本人の韓国観光ブームが冷めつつある理由として、相対的に円安となっている最近の為替相場を挙げる。昨年２～３月には１００円＝１６００ウォン台まで達したが、最近は１２００ウォン台をつけており、日本人が韓国旅行に負担を感じているとの分析だ。

日本人観光客は無視できない顧客群なだけに、日ごろから売り場に通訳担当者を配置し、のりや加工食品など日本人好みの製品に割引クーポンをつけるなどしているが、「特需」を狙ったマーケティング戦略は目だっていない。

新世界百貨店本店は、昨年はウェスティン朝鮮ホテルと提携し、謝恩券や一部製品の割引券などをつけた「ウェルカム・パッケージ」を外国人宿泊客に提供したが、ことしはこうしたサービスは設けていない。模範タクシー組合と提携し、本店と主要ホテル間を無料で運行したサービスも、ことしはない。ただ、釜山・海雲台のセンタムシティ店では、日本人観光客が多く集まるクルーズ船ターミナルに店舗案内のパンフレットを置くほか、釜山・金海空港に到着する外国人に商品クーポンを提供するマーケティングを展開している。

現代百貨店も、昨年は日本のＪＣＢや雑誌社のホームページに広告を掲載したが、ことしは姿を消した。

流通業界関係者は、最近は外国人顧客を対象としたマーケティングが日本人中心から、経済成長と人民元高に乗る中国人側にシフトしつつあると話している。