カラー野菜が人気…日本と輸出契約も（１）

１３日、ソウル忠武路（チュンムロ）にある新世界（シンセゲ）百貨店本店、地下１階の食品売り場。ジャガイモを選んでいた主婦パク・ミョンオクさん（５０）は「紫ジャガイモ」のパックを握った。展示用に並べられたジャガイモの中は鮮やかな紫色と赤色だ。 パクさんは「色が独特で栄養成分も多いという説明を聞いて‘カラージャガイモ’を買うことにした」と話した。

カラージャガイモのように韓国の技術で作られた野菜が、独特の色と高い栄養成分を武器にデパートに進出している。新世界百貨店では玄米で育てた玄米冬虫夏草を販売している。江原（カンウォン）大学の成載模（ソン・ジェモ）教授（６５）が２５年間の研究の末、高圧で蒸した玄米に冬虫夏草を育てて出した製品だ。

蛾や蚕などの昆虫を養分とする一般の冬虫夏草の価格の半分程度（１４０グラム、１万５８００ウォン）であり、需給も円滑だ。また別途の乾燥過程なく販売するため、長期間の流通が可能だ。今月初めから本格的な販売を始め、毎日２０−３０件ずつ注文予約が入る。

農民のイム・グンソンさん（５７）が製品化に成功したカラージャガイモも毎日３００パック（６個）以上売れている。 ビタミンＣと抗酸化効果が優れたアントシアニンが多く含まれた機能性ジャガイモだ。

農村振興庁が開発した種子をイムさんが約３年間、３億ウォン（約２４００万円）の費用をかけて商品化に成功した。１０月からは新世界百貨店に納品され始めた。 製品化するまでは問題も多かった。当初はイムさんをはじめとする５つの農家で裁培し始めたが、収穫率は一般ジャガイモの半分にもならなかった。それも腐ったジャガイモがほとんどだった。 カラージャガイモは生命力が弱いため、農薬や化学肥料を使用できなかったのだ。

現在はジャガイモ裁培に最適という大関嶺（デグァンリョン）最上部にジャガイモ畑を設け、全量有機栽培で裁培中だ。イムさんはカラージャガイモの商品化に成功した功労が認められ、農林水産食品部が主管した「ベンチャー農業創業コンテスト」で優秀開発農家に選ばれた。