北朝鮮、すべての核の年内無能力化で合意

北朝鮮が年内にすべての核施設を届け出て、無能力化することで合意したとクリストファー・ヒル米国務省東アジア太平洋次官補が２日、明らかにした。

１～２日、スイスのジュネーブで行われた朝米関係正常化実務グループ２次会議を終えてヒル次官補は、両側が非常に有益で実質的な論議をしたと述べた。ヒル次官補は続いてすべての核プログラムリスト申告時、ウラン濃縮プログラム（ＵＥＰ）も含めることで合意したと付け加えた。

ヒル次官補と会談した金桂寛（キム・ゲグァン）北朝鮮外務省次官もこの日の会議後の記者会見で「朝米関係の正常化のための懸案を全面的に検討し、多くが一致した」と明らかにした。金副相は「我々は合意したとおり、核計画（プログラム）を届け出て、無能力化を実現するという意思をはっきりと表現した」と明らかにした。続いて「米国側は彼らが約束した政治、経済的補償措置を取ることを改めて確認した」と述べた。また６カ国協議本会談の開催時期については「９月中旬に進行されるのではないかと思う」と付け加えた。

北朝鮮が年内核の無能力化に合意することによって米国のテロ支援国家指定解除と対北敵性国交易法適用を終了する問題も意見が近づいたものとみられる。年内無能力化が実現すれば非核化過程は勢いづくものとみられ、朝米関係正常化と韓半島平和体制論議も本格化するなど、北東アジア安保情勢が画期的なターニングポイントに立つことになる。

今回の会談期間、終始、ヒル次官補と金桂寛外務省次官は「多くの進展をみせている」（ヒル次官補）「成功をおさめるものと期待している」（金副相）と言うなど、成果に対する期待感を高める発言をしてきた。北朝鮮核施設閉鎖作業が終わってから、核無能力化に対する楽観的雰囲気を反映するかのように、２人は、２日、ジュネーブ駐在北朝鮮代表部前庭で通訳２人だけ陪席させ、対話に入った。２人はすでにベルリン、ニューヨーク、平壌（ピョンヤン）、北京、平壌で数回、水面下で協議をしてきた。そのためか、この日の交渉は無能力化（核施設を再稼働しにくい状態にすること）の時期と方法、それによる関係正常化問題に集中された。

ヒル次官補は２００２年第２次北核危機の原因だった北朝鮮の高濃縮ウラン（ＨＥＵ）開発疑惑を必ず整理するという意志を強調したと会談関係者たちは伝えた。ＨＥＵを含むウラン濃縮プログラム（ＵＥＰ）問題は、核兵器開発につながることがあり、非核化過程で必ず越えなければならない山だ。北朝鮮が保有しているプルトニウムの量も核心懸案だ。米国は北朝鮮が５０キロ以上の兵器級プルトニウムを抽出したものと見ている。５０キロは北朝鮮の誠実な申告を決める基準線だ。