「両大統領経験者の告別式から韓国型の団結心感じた」

「大統領経験者らが出席した中、行われた盧武鉉（ノ・ムヒョン）、金大中（キム・デジュン）元大統領らの告別式で“韓国型の団結心”を見ることができた」−−。

３年にわたる任期を終えて近く韓国を離れるノルベルト・バス駐韓ドイツ大使は「このように国家的に厳しい時期に、韓国の政治リーダーらや政府が国民の統合に努める姿が非常に印象的だった」と述べた。

バス大使は「２回にわたる挙国的なイベントを通じ、韓国に、理性的に考え感情的にバランスの取れた民主主義が根を下ろしつつあるという気がした」とした。０６年９月に初めて赴任した当時に比べ、韓国が最も変わった点を尋ねると「グローバル化がよりスピードアップした点」と答えた。

特に韓国社会で批判と論争が活発化しているようだとした。一部では行き過ぎた民主主義ではないか、という見解もあるとの指摘については「これは民主主義が不安かつ揺れる際に使う言葉」とした後「現在韓国の民主主義は活発かつ安定的」と強調した。

バス大使は「ドイツ語にはハングルの“パリパリ”（速く速く）と語感が似ている“ダリダリ”（ｄａｌｌｉ　ｄａｌｌｉ）という言葉がある」とした上で「韓独両国は目標の達成に向け全力を尽くす国民性を共通的に持っているようだ」と話した。こうした長所を生かし、両国関係の発展だけでなく地球温暖化・金融危機などと言った国際社会の懸案でも両国が積極的に連携することを提案した。

同氏は「ドイツは欧州連合（ＥＵ）の議長国を務める当時の０７年、韓国・ＥＵの自由貿易協定（ＦＴＡ）交渉を積極的に進めた」とした後「ＦＴＡが遠からず批准されれば、韓・ＥＵはもちろん韓独両国の経済協力関係ももう一度跳躍するとみられる」という認識を表した。同氏はしかし「ＦＴＡだけでは奇跡が起こりにくい」とし、行き過ぎた楽観主義は警戒した。

バス大使は在任中にドイツ統一の経験を韓国に知らせることにも率先した。各種の学術会と討論会に参加、忠告を惜しまなかった。同氏は「韓半島の非核化を成功裏に達成するのが肝要」とし「これが南北（韓国・北朝鮮）関係や北朝鮮の発展の前提条件となる」と強調した。また次回再び韓国に来ることになれば、北朝鮮南東部の観光地、金剛山（クムガンサン）や韓国の智異山（チリサン）に必ず登ってみたいと話した。