外貨流動性危機は事実上終結、政府が内部判断

【ソウル５日聯合ニュース】昨年９月の米リーマン・ブラザーズ破たんに始まった世界的金融危機による外貨流動性危機は事実上終結したと、政府はみているようだ。
　企画財政部の高官関係者は５日、最近はすべての外国為替・景気指標で韓国の景気回復勢が顕著に見られ、特に外為市場では金融危機以前の水準で急速に安定していると述べた。現在としては、通貨危機が再現される可能性はほとんどないとの見方を示した。

　政府は、外為市場と外貨資金市場で資金不足が解決され、銀行や企業もドル確保に余裕が生じており、今後、ドル流動性のために韓国経済が揺らぐことはないと内部的に判断しているものとみられる。

　ドルに対するウォン相場は、４日に前日比４．４０ウォン高の１ドル＝１２１８．００ウォンをつけ、昨年１０月１４日（１ドル＝１２０８．００ウォン）以来、１０カ月ぶりの高値を記録した。外国為替平衡基金債券（５年物）のクレジット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）プレミアムは昨年１０月２７日に６９９ベーシスポイント（ｂｐ）まで上昇したが、先月３１日には１２６ｂｐまで低下。金融危機前、昨年９月の水準（１００～１２０ｂｐ）を回復した。ＣＤＳプレミアムはことし６月末に１８４ｂｐを記録して以来下落を続け、ほぼ毎日、ことし最低値を更新している。この数値は低いほど、韓国の信用リスクが縮小していることを意味する。外平債加算金利も、昨年９月１２日の１８０ｂｐから、同１０月２９日に６２２ｂｐとピークに達した後、７月末に２２５ｂｐまで下がった。金融危機前の１９０ｂｐ台に迫る数値だ。

　政府が積極的に外貨流動性回収に着手したのも、流動性問題の終結を反映したものだ。政府は市中の外貨資金は十分だと判断し、１４０億ドルを限度に外平基金で供給した外貨流動性を今月末までにすべて回収することを決定。韓国銀行も、外貨準備高から供給していた外貨の大部分を回収済みで、米通貨スワップ資金で供給したドルも回収を進めている。

　また、７月末現在の韓国の外貨準備高は、２３７５億１０００万ドル（約２２兆６３００億円）となっている。５カ月連続で増加し、昨年９月末の２３９６億７０００万ドル以来の規模を記録した。経常収支の黒字基調も続いており、外貨流動性の懸念は鎮まりつつある。

　ただ、銀行は短期外債残高が１０００億ドルに達するなか、最近のドル流動性改善を受け、利子の低い短期性外債を増やすという従来の姿が見られるようになっており、外為当局は頭を痛めている。