【サーバー攻撃】「データ破壊パソコン３７０件」

９日午後１１時、ソウル汝矣島の安哲秀（アン・チョルス）研究所（アンラボ）。ＤＤｏＳ（分散サービス拒否）攻撃を敢行した悪性コードに対立して３日間夜を徹している同セキュリティ会社研究員らは大きい衝撃にかられた。ゾンビパソコンのハードディスク（ＨＤＤ）を破壊する命令が１時間後の１０日０時から実行されると見つけたからだ。このことを知った放送通信委員会は韓国情報保護振興院（ＫＩＳＡ）などと協力して緊急対応を始めた。この事実が伝わった中央日報ほか報道機関も徹夜で「ＰＣデータ破壊大乱」を警告して対応策を伝えた。パソコンユーザーたちもワクチンを投与するなど積極対応し、幸いに１０日１日の混乱は予想より少なかった。同時にＤＤｏＳの攻撃態勢も徐々に和らいでいる。

放送通信委はハードディスクのデータが消えるなどの被害に遭ったパソコンはこの日午後１０時の段階で３７０台だったと発表した。数万台のゾンビパソコンが悪性コードに感染し、ＤＤｏＳ攻撃に動員された点を勘案すれば意外な規模だ。ＤＤｏＳ攻撃も小康状態に入り、攻撃対象であるホームページの大部分が正常運営された。被害波及効果が高い金融圏に対する攻撃を心配する人々が多かったが混乱はなかった。クォン・ヒョクセ金融委員会事務処長は「一部銀行のインターネッバンキングがなかなか接続できない不便さはあったが、不法資金振替や情報流出などの金融事故は発生しなかった」と話した。

ＫＩＳＡのシン・ファス利用者保護チーム長は「壮語できないが、今より被害が大きく増えるようではない」と話す。悪性コードがＰＣを破壊されるという点が広く伝わったため、ワクチンが急速に普及されたからだ。アンラボによると、７日、ＤＤｏＳ攻撃が始まってから３日間、ネチズンがダウンロードした無料ワクチン（Ｖ３ライト）と専用ワクチンは１０５万件だったが、１０日午前でダウンロード件数は８０万を超えた。

一方、政府はこの日、国家政策調停会議を開き、ＤＤｏＳ攻撃対応策を論議した。韓昇洙（ハン・スンス）国務総理は「誰が何の意図で悪性コードを配布したのか、追加攻撃がないか国民が不安に思っている」と指摘した。「サイバー戦争は明日の話ではない。一日一日、すでに見えない戦争の中を生きている」と警告した。

警察は悪性コードに感染したゾンビパソコンが新しいハッキング命令を受けた「アップデートサーバー」のうち、国内にあるサーバー４つを確保して分析中だ。警察は国内を含め米国、日本、中国など１９カ国にある９２のサーバーＩＰを確認した。これらサーバーを通じて犯人が悪性プログラムを流布した経路を逆追跡する計画だ。

キム・チャンウ記者、ナムグン・ウク記者、カン・インイク記者
写真＝オ・ジョンテク記者