韓国関税庁は3月、麻薬類成分が含まれた風邪薬、睡眠薬及びダイエット薬などの違法医薬品の国内搬入の急増を受けて、外国で販売されている麻薬類を含有する医薬品を海外から直接購入、旅行者の携帯品、引越し貨物などを通じて国内に不法搬入する行為を厳しく取り締まる、と明らかにした。
この背景には、昨今の円安で日本旅行を楽しむ韓国人が急増したが、お土産として人気の「薬」がある。ドラッグストアなどで手に入る頭痛薬や風邪薬のうち、韓国で禁止されている麻薬成分が含まれているものを知らずに購入したり、麻薬中毒者が比較的容易に入手できる「代替麻薬」として悪用したりする事例が増加したことにある。
韓国では特に若年層の薬物乱用、中毒が大きな社会問題になっている。
「麻薬類の管理に関する法律」に定める麻薬類成分は481種にのぼるが、そのうちのひとつ「アリルイソプロピルアセチル尿素」成分は、日本のエスエス製薬の鎮痛剤シリーズ「イブ(EVE)」に含まれている。
日本を訪れる韓国人に人気のお土産のひとつであり、韓国を訪れる日本人旅行者には常備薬としてお馴染みの薬だ。日本からの旅行者は鎮痛剤を韓国に持ち込む際は「アリルイソプロピルアセチル尿素」成分が含まれていないか確認が必要だ。
持ち込みが禁止されている代表的な薬は下記のとおり
・イブクイック頭痛薬
・イブクイック頭痛薬DX
・イブA錠
・イブA錠EX
該当薬品を持ち込んだ場合は、韓国税関にて調査を受けたり、関連法によって処罰を受ける可能性がある。
持病により海外旅行先への医薬品の携帯が必要な人は厚生労働省の注意事項を確認のうえ、かかりつけ医に相談しよう。
※詳しくはこちら:
厚生労働省
どうしても持ち込む必要がある場合は、在日本韓国大使館のページを参考に申請するとよい。
自己治療用麻薬類医薬品の搬入許可オンライン申し込みに関するご案内