対日輸出企業支援を拡大、今年赤字１００億ドル減らす

【ソウル６日聯合ニュース】日本市場への輸出拡大が有望な中小企業１００社を選定し、集中的に支援する案が推進される。これら企業の集中育成と、円高と景気低迷がもたらした対日貿易赤字の縮小基調を結び付け、ことしの対日赤字を昨年より１００億ドル（約１兆円）減らし、２０１２年には全輸出に日本製品が占める割合を１０％以下に引き下げるというのが政府の目標だ。
　知識経済部は６日にソウル・三成洞の貿易センターで、対日輸出有望１００社の支援発足式を行い、こうした方針を明らかにした。

　政府は短期対策として、対日貿易赤字を改善するために円高を利用し消費財輸出を増やす計画を提示した。消費財や農業・食品、部品分野を中心とする有望企業１００社について、韓国貿易協会と中小企業振興公団が貿易基金と中期政策資金支援を、韓国輸出保険公社と大韓貿易投資振興公社（ＫＯＴＲＡ）が海外マーケティング保証および保険を連携支援するなど、それぞれの会社に合わせた支援策を提供する。

　また、来月と１２月に日本の流通企業を招き商談会を開催するほか、大型輸出商談会と日本展示会の開催、貿易使節団の派遣を推進する。ゲームソフトやコンテンツなど知識サービス分野の対日輸出企業には輸出保険料を割り引くなどの政策も展開するとした。

　中長期的には、部品・素材分野で５０戦略品目を発掘・育成することで日本企業の韓国製部品調達を増やし、対日輸入代替効果の大きい品目については研究・開発（Ｒ＆Ｄ）の支援申請時にインセンティブを与える。

　一方、日本企業の韓国直接投資を増やすため、今月中に日本で国家投資説明会（ＩＲ）を開催する。同時に、外国人投資地域指定手続きの簡素化や労使対立の予防対策も支援する計画だ。

　輸入全体に日本が占める割合は１９９０年の２６．６％から下がり続け、２０００年には１９．８％と２０％を割り、昨年には１４．０％まで低下した。輸出に日本市場が占める割合も１９９０年の１９．４％から昨年は６．７％にまで落ち込んだ。昨年の対日貿易赤字は部品・素材分野だけで２０９億ドル、全体としては過去最大の３２７億ドルに達した。

　ことしは景気低迷や円高が影響し、今月２０日までの累計で対日赤字幅は７５億ドルと、前年同期（１１７億ドル）より減ったものの、ことしも２５０億ドルの赤字を計上するというのが現時点での政府の予想だ。

　政府は積極的な短・中長期の対日輸出支援策を通じ、ことしは対日赤字を昨年より１００億ドル少ない２２７億ドルまで減らし、２０１２年までに輸入全体に日本製が占める割合も１０％以下に下げるとした。

　知識経済部の李允鎬（イ・ユンホ）長官は、対日輸出有望企業に対し積極的な支援策を展開するとし、対日赤字改善と経済危機克服に向け輸出企業の貢献を期待した。