「友好の懸け橋」日本から来たゾウのサクラ死ぬ＝韓国

韓国のテーマパーク、ソウル大公園（京畿道果川市）は１５日、アジアゾウのサクラが老衰のため１３日に死んだと発表した。

韓国最高齢の５９歳で人間の年齢に換算するとおよそ９０歳。昨年１１月に腹部に水がたまるなど体調を崩し集中治療を受けていたが先月１０日に容体が悪化。一時好転したが再び悪化し息を引き取った。

１９６５年にタイで生まれたサクラは７カ月で日本に渡った。宝塚ファミリーランド（兵庫県宝塚市）で飼育されていたが２００３年に同園が経営難で閉園し、ソウル大公園に引き取られた。

サクラは単独飼育されていたが２０１８年から持続的な訓練の末、他の３頭のゾウと共に集団で生活した。韓国最高齢のゾウとして健康に過ごす姿は来園者に希望を与えた。

サクラは韓日の懸け橋としても関心を集め、日本で児童向けノンフィクション本の題材にもなった。

在日同胞で児童文学作家のキム・ファン氏が２００７年に出版した「サクラ―日本から韓国へ渡ったゾウたちの物語」は、サクラを中心に日本から韓国へ渡ったゾウの事実を詳しく取材してまとめた作品で、第１回子どものための感動ノンフィクション大賞で最優秀作品に選ばれた。