BLACKPINKジェニーの投稿一つが28億ウォンの価値…「ここに輸出の道がある」＝韓国

２８億ウォン（約３億円）。ガールズグループＢＬＡＣＫＰＩＮＫのメンバー・ジェニーがＳＮＳ（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）で公開したカルバン・クライン関連の投稿一つの評価額だ。米国のマーケティング・プラットフォーム、ローンチメトリックスがインフルエンサーのＳＮＳでの影響力を金銭的価値に換算した指標（ＭＩＶ、Ｍｅｄｉａ　Ｉｍｐａｃｔ　Ｖａｌｕｅ）によると、グローバルファッションブランドのカルバン・クラインは、ジェニーとのコラボ・キャンペーンで６８００万ドル（約１００億円）の収益を得た。ジェニーはＫ－ＰＯＰスターを越えて「Ｋインフルエンサー」としてグローバル企業のラブコールを受けているわけだ。

インフルエンサー・マーケティングはすでに流通市場の欠かせない一軸になっている。インフルエンサーの掲示物一つ一つが広告の役割をするためだ。１４日、トレンドリサーチの調査によると、現在製品購入時にインフルエンサーの影響を受ける消費者が人口全体の７１．４％（約３３００万人）に上ることが分かった。ＫＯＴＲＡ（大韓貿易投資振興公社）などによると、昨年、韓国のＳＮＳユーザー数は４６００万人という集計結果が出た。国民の大多数がＳＮＳマーケティングに露出しているわけだ。既存メディアの役割が縮小し、有名芸能人だけでなく一般人もユーチューブ・インスタグラム・ティックトックなどＳＮＳプラットフォームを活用してインフルエンサーに仲間入りしやすくなった。彼らの活動を支援・管理するＭＣＮ（マルチ・チャンネル・ネットワーク）企業も誕生した。

世界的にもインフルエンサー産業は急成長している。市場調査機関スタティスタ（ｓｔａｔｉｓｔａ）によると、世界のインフルエンサー・マーケティングの規模は２０１６年１７億ドルから２０２３年２１１億ドルへと、７年間で１２．４倍に成長した。また、２月に世界マーケティング代行会社など関係者３５００人を対象に調査した結果、マーケティング予算全体の４０％以上をインフルエンサー・マーケティングに支出する企業の割合が２３％に及ぶことが分かった。グローバルコンサルティング企業マッキンゼーによると、米国のソーシャルコマース（ＳＮＳによる製品購買）市場規模は、２０２２年４５７億ドル（６０兆５０００億ウォン）から２０２５年７９６億ドル（１０５兆４０００億ウォン）へと２倍近く成長する見通しだ。デジタルマーケティングプラットフォームのナスメディアによると、韓国インフルエンサー・コマース市場規模も２０２２年６兆ウォンから２０２５年２８兆ウォン規模へと５倍近く拡大するものと予想される。

韓国企業も国内外の「メガ・インフルエンサー」を活用した輸出戦略を積極的に模索しなければならないという指摘が出ている。大韓民国インフルエンサー協会のキム・ヒョンギョン会長（ＩＴ政策経営学博士）は「インフルエンサー１人が１時間で数十億ウォンの売上を上げる場合が多いが、韓国企業はこれをうまく活用できずにいる」として「Ｋフード・Ｋビューティーなど韓国商品の人気が高まっているだけに、海外の有名インフルエンサーが韓国製品を販売するようシステムを作り制度的な後押しもしなければならない」と述べた。国民大学経営情報学部のイ・デファン教授（インフルエンサー産業研究院長）は「輸出企業がインフルエンサー・マーケティングをうまく活用すれば今後５年間の累積経済効果は少なくとも３兆ウォン以上だろう」と分析した。

ただし、インフルエンサーのチャンネル登録者・フォロワー数の偽造や企業のフェイク商品売買による消費者の被害防止は改善しなければならない課題だ。特に理由もなくアカウントをブロックして解除しない、いわゆるプラットフォーム「パワハラ」でインフルエンサーが損害を被る場合も少なくない。