今夏の猛暑による死者すでに23人 自治体は熱中症対策に奔走=韓国

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韓国で連日の厳しい暑さにより熱中症患者が急増し、死者も相次いでいる。政府は猛暑危機警報レベルを最も高い「深刻」に引き上げ、自治体と公共機関は対策に追われている。

◇熱中症が原因とみられる死者 昨年の3倍に急増

消防当局によると、今年5月20日から7月末にかけ、猛暑による熱中症が原因とみられる死者は21人と集計された。今月1日にも慶尚北道と全羅北道でそれぞれ高齢者1人の死亡が確認され、これを合わせると熱中症によるとみられる死者は23人となる。昨年の同期間(7人)の3倍以上多い。

地域別では慶尚北道が10人、忠清北道が4人、慶尚南道が4人、全羅北道が2人、忠清南道が2人、蔚山市が1人と、全国各地で死者が出ている。

全羅北道の海岸に設けられたボーイスカウト・ガールスカウトの世界大会「世界スカウトジャンボリー」のキャンプ場では、400人の熱中症患者が発生した。ジャンボリーの組織委員会は場内の病院やクリニックの病床を増やすなどの対応を取っている。

◇対策急ぐ自治体 ドローンで田畑巡回・クーリングシェルター拡充

行政安全部は厳しさを増す猛暑に備え、1日午後に中央災難(災害)安全対策本部の第1段階を稼働させ、猛暑危機警報レベルを4年ぶりに「深刻」に引き上げた。

安全対策本部は関係官庁や自治体に対し▼社会的弱者や工事現場の作業員、高齢の農業従事者を対象にした管理対策▼農畜水産業への被害の予防策▼道路や鉄道などのインフラ管理対策――など、管轄分野ごとの猛暑対策を強化するよう指示した。

関係官庁や自治体、公共機関は熱中症対策に奔走している。

釜山市はドローン(小型無人機)で田畑や海岸を巡回し、暑さが厳しい時間帯に農作業をしている人がいれば控えるよう勧告する。海雲台や広安里など主な海水浴場では、霧状の水で周囲を涼しくする冷却ミストを稼働させている。

全羅北道では、ヘルパーや社会福祉士ら約5万5000人が高齢者ら社会的弱者の健康状態を確認している。また、高齢者施設や公民館などに冷房の効いたクーリングシェルターを設け、散水車で道路の表面温度を下げている。

蔚山市は屋外で働く人々の健康管理のため、建設現場などを対象に午後2~5時の間に1時間の休憩を取るよう促すとともに、猛暑下での行動マニュアルの周知に努めている。

大邱市教育庁は来月30日までを猛暑対策期間と定め、各学校に猛暑対策班を設けた。猛暑警報・注意報が発令されれば短縮授業に切り替えるなど柔軟に対応する。
COPYRIGHTⓒ YONHAP NEWS  2023年08月02日 15:56
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