韓国政府「自殺率30％減らす…無料精神健康診断２年に短縮」

現在１０年ごとに国家健康診断で無料で受けることができる精神健康診断の周期が２年に短くなる。対象疾患もうつ病だけでなく統合失調症、躁うつ病などに拡大する。韓国政府はこうした対策を通じて今後５年間に自殺率を現在より３０％減らすという目標を提示した。

保健福祉部は１３日、ソウル駅付近の空間モアで公聴会を開き、こうした内容の「第５次自殺予防基本計画（２０２３ー２７）案」を公開した。この日に発表された基本計画は意見を集めて補完され、首相が開く自殺予防政策委員会の審議を経て確定する。

福祉部は▼社会自殺リスク要因の減少▼自殺高リスク群の集中管理▼事後管理の強化▼各個人向けの自殺予防▼効率的な自殺予防推進基盤の強化－－を課題とする。

精神健康問題に対する早期介入が重要であるため、２年周期で精神診断体系を導入する。現在、満２０・３０・４０・５０・６０・７０歳がうつ病検査を無料で受けることができる。今後はこの周期を一般健康診断のように２年に短縮し、うつ病だけでなく統合失調症、躁うつ病などの精神疾患検査も可能になる。まず青年層（満２０－３４歳）を対象に適用し、段階別に拡大する計画だ。

また政府は自殺事故が多いところの管理を強化することにした。自殺事故の可能性を根本的に遮断するという趣旨だ。今後新しく設置する橋梁には欄干および歩行者用防護フェンスを設置するよう関連規定を改定する計画だ。また自殺事故が多い橋梁の安全施設全般点検も進める。

２０２７年までに１７市・道に「生命尊重安心マウル（村）」を設置し、各自治体の特性に合う自殺予防モデルを準備する。現在、ソウル市江西区（カンソグ）では２０２１年から「生命愛安心アパート」事業をしている。高リスク群に１対１のケアをし、精神健康プログラムを広報する。周辺の自殺リスク信号を認知して専門家とつなぐ「生命の番人」を毎年１００万人育成することにした。

自殺高リスク群を集中的に管理するため、災難発生から２年間は高リスク群対象のモニタリングをすることにした。また非精神科医療機関を利用した患者のうち自殺リスクが高い対象者を確認し、精神健康医学科、自殺予防センターなど専門機関とつなぐシステムも構築する。

夜間や週末などに「精神応急」状況が生じれば警察、消防との合同対応が可能になるよう危機介入チームの運営体系を整備する。福祉部・警察庁・消防庁・地方自治体・関連専門家など１５人前後で中央精神応急対応協議体を構成し、応急状況関連機関間の協力体系を構築する。

救急室内に精神健康専門要員を配置し、患者に対して初期に介入する試験事業の推進も検討する。自殺を考える患者が他の医療機関を訪問する時、この機関が患者の状態などを確認する体系も設ける。現在試験事業中の「自殺遺族ワンストップ支援」事業を全国に拡大する計画だ。

政府はこうした対策を推進して「２０２７年までに自殺率を１８．２人に３０％以上減らすのが目標」と明らかにした。２０２１年基準で１２％の自殺考慮率も２０２６年には４．６％まで引き下げることにした。

韓国の自殺率（１０万人あたり自殺者数）は２０２１年基準で２３．６人と、経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）平均（１１．１人）の倍を超える。２０人以上の国は韓国とリトアニア（２０．３人）だけだ。自殺率は２０１７年の２４．３人から１８年２６．７人、１９年２６．９人と高まった後、新型コロナ流行初期の２０年に２５．７人に低下したが、２１年は２６．０人にやや増えた。