韓国での高い価格を狙った…空港で麻薬類密輸が急増

仁川（インチョン）地検は旅行客を装ったり航空貨物に隠して麻薬を密輸した韓国人・外国人１９人を拘束、起訴したと２５日、明らかにした。今年４－１０月に仁川税関、警察、海洋警察などと協力して集中取り締まりをした一方、各国捜査機関と協力捜査をした結果だ。

検察はこの日の報道資料で、最近摘発された密輸事犯の手法を一部公開した。タイ国籍のＡ（２４、女）は１０月、タイで親せきと共にヤーバー９９８７錠（１億７９７４万ウォン、約１８７０万円相当）をバッグに隠して国内に密輸した。ヤーバーはヒロポンとカフェインを混せて作った安い麻薬で、主に東南アジアで流通している。Ａは旅行会社のパッケージ商品の観光客として入国しながら身分を偽装し、かかと部分を掘った運動靴の中にホイールなどで包装したヤーバーを隠すなど緻密な手法を動員したが、捜査機関に摘発された。

高収益を期待して麻薬類を密輸した韓国人もいた。Ｂ（５３、女）は７月、カンボジアでヒロポン約２１５グラム（２１５０万ウォン相当）をコンドームで包装してバッグに隠し、仁川空港から入国しようとして摘発された。新型コロナ拡大で密輸が制限され、東南アジア地域に麻薬類が過多供給されて麻薬類の国際相場が落ちた中、韓国への搬入を図ったという。最近、韓国内の麻薬類の相場が上昇し、１０倍以上の高収益を期待して密輸を図る個人の密輸事犯が増えたと、検察は説明した。

航空貨物による麻薬類密輸も多数摘発された。ベトナム人Ｃ（２０）はフランスから国際特送貨物形態でエクスタシー約１万錠（１億９０００万ウォン相当）を仁川空港に密輸して検挙された。２、３月にはラオスから国内にヒロポンを持ち込もうとしたタイ人のグループが仁川税関で摘発された。検察は麻薬類が発見された貨物の受取人を追跡した結果、タイ人の麻薬密売組織の流通責任者を拘束し、ヒロポン約１０．７キロ（１０億ウォン相当）を押収した。

韓国国内に麻薬類を持ち込む密輸事犯は増えている。検察によると、昨年、韓国で摘発された麻薬密輸事犯は８０７人だった。しかし今年１－７月に８６８人が捜査機関に摘発された。密輸麻薬類の押収量も増えた。昨年、捜査機関はヒロポン、エクスタシー、ヤーバーなど麻薬類６万７８８グラムを押収したが、今年は上半期だけで８万２７４８グラムにのぼり、昨年をすでに上回った。検察はこの２年間に新型コロナが拡大しながら仁川空港を通じた貨物の運送が増え、４月に特別旅行注意報が解除されて入国客が急増したためとみている。

国際犯罪重点検察庁の仁川地検は麻薬犯罪特別捜査チームを設置し、警察・海洋警察・関税庁との協力捜査を強化している。麻薬犯罪対応機能が複数の機関に分かれていて、密輸事件に対して迅速かつ効率的な対処が難しいという指摘のためだ。検察関係者は「今年１月に関係機関と共に仁川麻薬捜査実務協議体を設置して９回の会議をした」とし「今後も各機関と協力して麻薬犯罪に総力対応する方針」と述べた。