韓国、予想より３カ月早い「コロナ第６波」…「接種・治療薬に集中、一律的な社会的距離ない」

韓国防疫当局が新型コロナ「第６波」が予想より３カ月ほど早まるという見方を示した。感染力が強く、従来の免疫を突破するオミクロン株の新系統「ＢＡ．５」が広がっているからだ。当局はワクチン接種と治療薬の処方に集中し、過去のような一律的な「社会的距離」措置は取らないという計画だ。

中央災難安全対策本部は１３日、こうした内容の新型コロナ再流行対応案を公開した。中央災難安全対策本部はワクチンの４回目接種対象者を従来の６０歳以上および免疫低下者から５０代と１８歳以上の基底疾患がある人に拡大することにした。

韓悳洙（ハン・ドクス）首相はこの日の中央災難安全対策本部会議で「４回目の接種はコロナ重症化への進展を予防できる」とし「政府は対象国民のワクチン接種を強く勧告する」と述べた。また脆弱施設のうち療養型病院・施設だけでなく、障害者施設と路上生活者施設にまでワクチン接種を拡大すると、韓首相は説明した。治療薬はパクスロビド８０万人分、ラゲブリオ１４万２０００人分など計９４万２０００人分を追加で導入する。

政府は４月１８日、下半期の新型コロナ流行を分析した結果を発表し、１１月中の約１６万－１７万人規模をピークと予想した。しかしＢＡ．５が拡大し、再流行時期が２、３カ月早まった。白敬蘭（ペク・キョンラン）疾病管理庁長は「９月末に最大１８万５０００人のピークが予想される」とし「伝播率のシナリオに基づき、１０月中旬の１６万５０００人－９月中旬の２０万７０００人のピークを幅広く予想する」と述べた。

感染者の増加に伴って重症者と死亡者も増えると予想される。９月末－１０月中旬に最大１２００－１４５０人の重症者が入院治療を受け、死亡者も９月末－１０月中旬に一日最大９０－１００人台発生すると予想される。韓首相は「伝播力が速く免疫回避特性があるオミクロン変異株ＢＡ．５が拡大し、当初の予想より早く再流行が始まっている」とし「疾病管理庁と専門家は８月中旬から９月末に一日最大２０万人の感染者が発生する可能性があるとみている」と話した。

政府はＢＡ．５の高い感染力、日常回復の加速化時点、国民の反応などを考慮すると、流行を抑えるための社会的距離再導入は効果が制限的だと判断している。これを受け、私的な集まりの人数制限５人・営業時間９時制限などの一律的な社会的距離は再導入しないという立場だ。

重症度・致命率など防疫指標が現在の水準で維持される場合、予防接種・治療薬・病床確保など防疫・医療体系を中心に対応することにした。広範囲な社会活動制限は最小化し、社会・経済的な波及効果が大きい社会的距離は致命率増加など流行状況の重大な変化が発生した場合に部分的に導入するとみられる。

韓悳洙首相は「重症入院患者の治療のための病床を十分に確保する」とし「現在、重症者病床の稼働率は１０％水準で十分に余力があるが、最大２０万人が発生しても入院治療に問題がないよう準備する」と述べた。現在、重症者の病床は５７００床ほどに減ったが、一日の感染者１４万６０００人までは対応可能というのが中央災難安全対策本部の説明だ。ただ、２０万人発生に対応して１４００床を追加で稼動する計画だ。

韓首相は「入院せず在宅治療を受ける感染者が地域の病院・医院で検査、治療、処方を一度に受けられるよう『ワンストップ診療機関』を現在の６３３８カ所から１万カ所に７月末までに操り上げて確保する」と明らかにした。続いて「（感染者の）義務隔離７日間は維持するものの、現段階で距離義務化措置は取らない」とし「ただ、流行状況に重大な変化が生じる場合、選別的・段階的な社会的距離の導入を検討する」と述べた。

白庁長は「感染が広がっても国民の生活に広範囲な制限をもたらす全面的な社会的距離よりも、社会各分野別に国民の参加に基づく自発的な距離確保を中心に対応する計画」と明らかにした。