韓国旅行「コネスト」 美術韓流が始まった…ロスで、ドイツで、上海で。韓国の社会・文化ニュース
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美術韓流が始まった…ロスで、ドイツで、上海で

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水墨画家のパク・テソン画伯(77)に今年は50年の画家生活で最も忙しい1年だ。4月に駐独韓国文化院での展示のためベルリンに行き、6月末にはカザフスタンに行ってきた。カザフスタン国立美術館で先月24日に彼の展示が開幕したためだ。17日からロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)で開幕する12月11日までの展示に向けロサンゼルス行きを準備中だ。このほかにも9月に海外で開幕する展示だけで3件だ。

パク画伯をはじめとする韓国の美術作家に海外の美術館とギャラリーからのラブコールが続いている。韓国音楽とドラマ、映画が世界に進出したのに続き、「美術韓流」が始まったというシグナルだ。

◇「一朝一夕のことではない」…数十年間活動に没頭

在仏彫刻家のユン・ヒ(72)の個展が先月11日にドイツのルートウィヒ美術館で開幕した、ナム・チュンモ(61)の個展は先月28日に中国・上海の宝竜美術館で始まった。インスタレーション作家ヤン・ヘギュ(51)はデンマーク国立美術館SMK、ムン・ギョンウォン(54)とチョン・ジュホ(54)は日本の金沢21世紀美術館、キム・アヨン(40)は台湾の官斗美術館で個展を開いている。フランスで活動するキム・ミンジョン(60)はニューヨークのヒルアート財団で主催するグループ展(15日まで)、イ・スルギ(50)はサンフランシスコのKADISTのグループ展(16日まで)に参加している。

韓国美術に対して高まった関心は単色化ブームを超え水墨画、設置、彫刻、メディアなど多様なジャンルに拡大している。美術界では「いまこそ韓国の作家をさらに積極的に知らせ海外市場を開拓する適期」という話が出る。

今年から来年まで展示が最も多い作家はパク画伯だ。ハーバード大学韓国学センター(9月19日~12月31日)、ダートマス大学フッド美術館(9月24日~来年3月19日)、駐イタリア韓国文化院(9月30日~11月27日)に続き、来年もニューヨーク州立大学ストーニーブルック校、メリー・ワシントン大学で展示が続く。

パク画伯は真景山水画の脈を受け継ぎながらも伝統水墨画を現代美術で再解釈する活動をしてきた。昨年8月の中央日報とのインタビューで彼は「米国巡回展は1日でできたのではない。2004年のリウム美術館開館時に大挙訪韓した海外美術界関係者が慶州(キョンジュ)のアトリエを訪問した。その時から想像もできなかったことが広がり始めた」と話した。また、5日の電話インタビューでは「海外展示をするほど自負心も大きくなり新しいエネルギーを得る。作品を通じて外国人が知らなかった根が深い韓国文化を知らせるというやりがいを感じている」と伝えた。

いま海外展示を活発に開いている作家はパク画伯の話のように「1日で」脚光を浴びたのではない。彼らは長い時間にわたり自分の個性が明確な活動に没頭しており、内外での展示も着実にしてきた。ルートウィヒ美術館で展示を開いているユン・ヒは1980年代中盤からフランスに定着して活動してきた。大きな鋳型に熱い金属溶液(ブロンズ、黄銅、アルミニウム)を投げる技法で作品を作る。今回の展示で彼は彫刻作品をはじめ大型ドローイングと最近始めたキャンパス活動など46点を網羅して見せてくれる。ナム・チュンモは線というモチーフを利用して浮彫絵画という独特の領域を開拓し、最近では画面上の線が互いにぶつかり合って空間感をかもし出す絵画を発表している。

最近パク・ソボ(90)、イ・ゴンヨン(80)ら巨匠がホワイトキューブやペロタンなど世界的画廊を通じて名前を知らせたのも美術韓流の基礎になった。現在ナム・チュンモの個展が開かれている上海宝竜美術館は2019年に中国で初めてキム・ファンギの代表作「点画」連作4点をはじめ、パク・ソボ、チョン・サンファ、ハ・ジョンヒョンの作品など韓国の抽象美術を大規模に紹介している。

◇9月の国際アートフェア、美術韓流の分水嶺

ギャラリー現代でクリエイティブディレクターを務めるキム・ジェソク氏は「9月に開かれるフリーズ・アートフェアと韓国国際アートフェア(KIAF)が美術韓流に重要な分水嶺になるだろう。韓国の作家を効果的に知らせるためのさまざまなプログラムを考えている」と話した。

5月に香港アートバーゼルでイ・ゴンヨン、ナム・チュンモ、キム・テクサン(64)の作品18点を販売する成果をあげたリアンギャラリーのアン・ヘリョン代表は「海外から所属作家に対する問い合わせと展示提案が続いている。海外販売も重要だが美術館で作家を美術史的脈絡から光を当てて紹介する展示が特に貴重だ」と話した。
COPYRIGHTⓒ 中央日報日本語版  2022年07月06日 12:06
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