K-POPから進化した日本アイドル「家族の皆がBTSのファン、私の夢を支えてくれた」

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K-POP産業の最新戦略は「現地化アイドル」だ。韓国企画事務所が制作する一方で、メンバーと中心的な活動地域を韓国の外に置く形だ。JYPエンターテインメントとソニーミュージックが合作した9人組ガールズグループNiziU(ニジュー)、CJ ENMが吉本興業と手を握って制作した11人組ボーイズグループJO1、INIなどが代表的だ。全員日本人メンバーで構成されて日本で活動するが、企画や制作、トレーニング、流通に全部K-POPの財源とバリュー・チェーンが動員される。韓国人メンバーを主軸にして多国籍メンバーを加える第3世代アイドルのモデルから一段階進化したという意味で彼らを「第4世代アイドル」に分類したりもする。

このように韓日合作の形でデビューして活動しているアイドルはどのようなアイデンティティを持っているだろうか。中央日報がJO1のメインラッパー兼リードダンサー、鶴房汐恩(22)とINIのメインラッパー兼リードダンサー田島将吾(24)をZOOMでインタビューした。Mnetのオーディション番組『プロデューサー101』の日本版シーズン1を通じて2020年3月にデビューしたJO1は、発売シングル5枚が全部オリコンとビルボードジャパンの1位にのぼり、すべてのアルバムの第1週目の販売が20万枚以上となった。発売アルバムは昨年計120万枚が売れた。日本で人気のバロメーターとされる有料ファンクラブの会員も15万人に達する。やはり『プロデューサー101』シーズン2を経て昨年11月3日デビューしたINIは1枚目のシングルが50万枚以上売れる記録をたて「実力派新鋭」という評価を得ている。

彼らがK-POPに関心を持つようになった理由は簡単だった。青少年期に日本で最も流行していたジャンルであるためだ。鶴房の場合、「家族の皆がBTS(防弾少年団)のファンで、特にお母さんがK-POPアイドルが好きで私がデビューすることをとても応援してくれた」と話した。鶴房は「J-POPがやりたくないというわけではなく、当時私の関心事がK-POPだった」として「高校1年の時から聞き始めたが、当時にも大流行だった」と話した。

田島も「お母さんが90年代からK-POPを聴いてきたし、Fin.K.L.のファン」と説明した。また、「私は中学生時代にEXOの影響を受けて、もし歌手としてデビューすればK-POPクォリティーの音楽、ダンスなどK-POPの形で音楽をやりたいという気がした」と話した。

田島は韓国のCUBEエンターテインメントで2年間練習生として生活した。これに先立って、ジャニーズJr.として活動した経歴があるが、大学進学を控えてやめた。田島は「大学に行っても趣味でダンスを続けたが、親戚が韓国旅行中に私の動画を事務所のオーディションに応募して韓国に行くことになった」と説明した。鶴房も韓国のFNCエンターテインメントで練習生時代(10カ月)を経た。鶴房は高校時代に大阪の街でFNCジャパンの職員にキャスティングされて渡韓した事例だ。二人とも韓国語が流ちょうだ。

彼らはK-POPの特徴として歌手を作る練習システムに言及した。田島は「韓国では練習だけに集中できるように練習室があり、各分野(歌・ラップ・ダンス)先生がいて教えてもらえる」とも話した。業界関係者によると、日本の事務所は自律練習がより一般的だ。

鶴房は「日本のアイドルと韓国のアイドルが追求する感じや雰囲気、ダンスが全く違う」として「韓国は整頓された動作をメンバーの間でよく合わせる『カル群舞』を重要だと考え、日本はもう少し個性を表わすことを好む」と説明した。田島は「日本で『K-POP』といえば、皆がアイドルだと思うが、韓国で過ごすうちに他のジャンルの韓国音楽も多いことに気付いた」として「韓国で練習生活をしながらラップが本当に素敵だと感じて、私もいつかは直接ラップの歌詞を書きたいと決心するようになった」とした。

二人とも韓国の練習生生活がすぐにデビューにつながったわけではない。田島は「韓国の所属事務所から出た時点がすでに20歳を過ぎた時だったのでさまよった」と打ち明けた。田島は最終デビュー組に入ることができず所属事務所から出てホテルで暮らしながらオーディションを受けたりした。田島は「当時、日本で祖父が亡くなったのにすぐに帰国できず葬式に行くことができなかった。今度またこのようなことがあったら苦しいだろうなと悩んでいたところ、『プロデュース101』日本版が作られるという話を聞いて日本で活動が可能だと思って帰国した」と話した。

鶴房も「(音楽をするならば)渡韓してデビューできたら良いと思って韓国に行ったし、『プロデュース101』日本版が開催される前には日本に戻るつもりは全くなかった」と伝えた。2人ともK-POP、あるいは「K-POP風」の音楽を自国でできるという点に魅力を感じたケースだと言える。

両グループのファンダムは15~29歳に集中している。韓流コンテンツに関心が多い人々の父母世代もともに注目する。JO1とINI所属事務所LAPONEエンターテインメントのチャン・ヒョクジン最高運営責任者(COO)は「今はドラマで初めて韓流に接した世代の子どもが成長してK-POPに関心を持つようになる時点」とし「ともにファンになってコンサートに一緒に行ってきたという母と娘も多い」と話した。また、「このような傾向は『第2世代』『母娘第2世代』とみられ、現在日本内で重要なマーケティングキーワード」と説明した。

K-POPの成功に対する日本音楽業界の反応は両面的だ。業界関係者によると、日本メディアは「K-POP」という言葉をほとんど使わない。BTSの成功を紹介するとき、アーティスト固有の魅力に対しては関心が多いが、K-POPという点を特に強調するわけではない。それよりK-POPアイドルグループ内の日本人メンバーに対する関心が集まる。TWICE(トゥワイス)の日本人メンバー、サナ・ミナ・モモ、aespa(エスパ)のジゼルなどが代表的だ。

韓日両国関係にはいつもある程度の緊張があり、JO1、INIのようなグループは気を遣うことが多い。田島と鶴房も韓国と日本を比較する質問に特に気をつけた。「やっている音楽がK-POPなのか、それともJ-POPなのか」を尋ねると、田島は「K-POPとJ-POPどちらかというよりは両方の良い部分が交わって私たちが作られたのだと思う」とし、「いろんなジャンルを組み合わせて曲を作る点が面白く、やりたいパフォーマンスと音楽をやっているだけ」と話した。鶴房は「少し恥ずかしいが、JO1の音楽ジャンルはJO1」と話した。

最近では日本の大衆音楽界でも日本の外に進出しようとする動きが現れる。日本の最も大きなアイドル事務所であるジャニーズは最近、ジャニーズJr.の7人組アイドルグループTravis Japan(トラビス・ジャパン)の全員を米国に留学させると発表した。米国の次に大きな音楽市場を持っているので海外開拓の必要性を感じることができなかった日本音楽産業で目につく変化だ。K-POPが日本と世界で成し遂げている成果がどのような方式であれ刺激になったという分析だ。チャン・ヒョクジンCOOは「日本国内でうまくいけばとても成功するチャンスがあり、事務所はその間世界的な成功のための努力を全くしなかった」として「ところが、最近では大きな事務所を中心にグローバル進出を模索する動きが見える」と話した。
COPYRIGHTⓒ 中央日報日本語版  2022年04月08日 15:00
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