韓国上場企業最大の横領事件で容疑者の父親が死亡しているのを発見

会社の金２２１５億ウォンを横領した容疑を受けているオステムインプラント社員の父親が１１日に死亡しているのが見つかった。容疑者の父親は前日被疑者として立件され、この日１１時に召喚調査を控えていた。

警察はこの日午後５時ごろ、坡州市（パジュシ）の空き地に駐車していた車の中で死亡している父親を発見した。これに先立ち午前７時から警察は「父親が遺書を残して消えた」という家族の通報を受け追跡に出た状態だった。

警察は父親が残した遺書に、家族に向け「元気でいろ」などの内容が書かれていたと把握した。ただ警察関係者は「正確な遺書の内容は遺族調査して確認するだろう」とした。

警察によると父親はこの日の夜中に車で家を出た。発見された場所は自宅から約２～３キロメートル離れた空き地だった。失踪申告を受け警察は防犯カメラなどを通じて動きを追跡したが、家宅捜索で父親の携帯電話が押収され追跡が困難になった。

これに先立ち警察は坡州市内の父親宅に１０日午後８時１０分からこの日午前０時３０分まで捜索に入り金塊２５４キログラムと父親の携帯電話などを押収した。警察関係者は「容疑者の陳述ではなく捜索を通じて容疑者の父親の家に隠匿された金塊を見つけた」とした。

警察は父親のほかにも容疑者の妻と妹、妻の妹夫婦の４人を刑事立件した状況だ。６日には妻と妻の妹を呼んで調査した。容疑者は横領した金で妻と妻の妹の名義で約７５億ウォンの不動産を取得していたことがわかった。警察はこれまで少なくとも８００億ウォン台の被害金を回収したか回収する予定だ。金塊７５５キログラム（約５３０億ウォン）と２５２億ウォン相当の株式が預けられている証券口座、現金４億３０００万ウォンなどだ。ここに容疑者が妻の妹と妻名義で取得した不動産７５億ウォンに起訴前没収と追徴保全を申請する予定だ。警察はまだ確保できていない金塊１００キログラムを含め犯罪収益金追加還収にも焦点を合わせている。

ただ警察は容疑者が昨年３月以降に横領金で株式投資をしながら最小７００億ウォン以上の損失を出したと推定している。前日にオステムインプラントが２０２０年１０－１２月期の２３５億ウォン台の追加横領犯行を届けて警察の捜査が進められているだけに損失金額はさらに大きくなる可能性がある。

一方、容疑者は２０２０年に２３５億ウォンを５回にわけて横領していたことがわかった。容疑者は本人の口座に引き出した横領金を入金して犯行を隠した。その後昨年３月にも５０億ウォンずつ１００億ウォンを会社の口座から本人の証券口座に振り替えていた。このためオステムインプラントは、横領額は２２１５億ウォンだが被害金額は１８８０億ウォンだと説明した。