キムチの輸出増加　１２年ぶり貿易黒字の見通し＝韓国

韓国の今年のキムチの輸出が増える一方で輸入が減り、２００９年以来の黒字になる見通しであることが１２日、分かった。

　韓国関税庁や食品業界によると、今年１月から８月までのキムチ輸出額は１億１１４６万ドル（約１２５億円）で前年同期比１３．８％増加した。一方、輸入額は９．７％減の８６１０万ドルで、貿易収支は２５３６万ドルの黒字となっている。この傾向が続けば、年間の貿易収支も２００９年（２３０５万ドル）以来の黒字になるとみられる。

　世界金融危機の影響で韓国のキムチは０９年に輸入が大幅に減って黒字となったが、今回は輸出が増えたのが主な要因だ。０９年当時はキムチ輸入額が６６３４万ドルで前年より４１．１％減ったが、輸出額の増加は４．８％にとどまった。

　新型コロナウイルス感染拡大の影響で、発酵食品のキムチが免疫力を高めるとの認識が広がり、キムチの輸出は昨年から増加幅を広げている。

　また韓流の人気の高まりに伴い、海外での韓国料理に対する関心が大きくなったことも要因として挙げられる。

　今年１～８月のキムチ輸出額を国・地域別にみると、日本が５７１９万ドルで全体の５１．３％を占めて最も多く、米国（１８９３万ドル）、香港（５３８万ドル）、台湾（４５４万ドル）、英国（４０３万ドル）、オランダ（３７６万ドル）、オーストラリア（３３１万ドル）と続いた。

　輸入は今年大幅に減ったが、これは中国での非衛生的な生産過程が３月に報じられたことが影響したとみられる。キムチ輸入額は報道直後の今年４月に９９１万ドルを記録し、１９年６月（９０６万ドル）以降、初めて１０００万ドルを下回った。７月には８２３万ドルまで下がった。

　韓国が輸入するキムチはほとんどが中国からのものとなっている。