韓国旅行「コネスト」 「月給に頼って生きるのもリスク」…40歳で退社=韓国。韓国の社会・文化ニュース
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「月給に頼って生きるのもリスク」…40歳で退社=韓国

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「大企業というタイトルは人生を保障しない。月給に頼って生きるリスク(危険)を減らすことにした」。

2年前に会社をやめて早期引退したキム・ドヒョプさん(41)。キムさんが大企業の名刺を放棄したのは、皮肉にも「職場」に対する不安感のためだった。キムさんは2008年に釜山大貿易学科を卒業した後、STX造船海洋に入社した。就職さえすれば安定した人生が保障されると考えていた。バラ色の夢は2008年のグローバル金融危機で消えた。造船業の不況が続いてリストラが進んだ。人員削減の圧迫を避けて2014年にSKケミカルに転職した。しかし今度は所属部署の新事業の成果が振るわず、部署が解体危機を迎えた。

キムさんは「もう自分の人生を他人(会社)に任せてはいけないと感じた」とし「一日も早く経済的に独立しようと決心した」と振り返った。早期引退を決心してから5年間で資金4億ウォンを21億ウォン(約2億円)に増やした後、39歳で会社を離れた。早期引退者、ファイア(FIRE)族になった。

キム・ダヒョンさん(40)は昨年9月、カカオを退社した。1年先に引退した夫と共に夫婦は40歳でファイア族になった。夫婦は大金を貯めた後に引退する方法ではなく、熱心に働いて出費を抑える方法を選んだ。引退のために5億ウォンを貯めることを目標にした後、所得の70%以上を貯蓄した。55歳から個人年金と退職年金で10年、その後は国民年金と住宅年金で老後を過ごす計画だ。

韓国社会にもファイア族が上陸した。就職準備者が過去最多となる中で現れたファイア(FIRE)族は「経済的独立、早期引退」(Financial Independence,Retire Early)の頭文字からなる用語で、40歳前後での引退を目指す人たちを意味する。2008年の世界金融危機当時、米国の若い高学歴・高所得の階層に広がった。

ファイア族は、抜け出せない学資金負債、不安な就職見通し、崩れていく世の中、年金の限界などに取り囲まれた「ミレニアル世代うつ」の発露だった。MZ世代を中心にファイア族が増える韓国の雰囲気も似ている。就職難に加え、資本所得に及ばない労働価値、不安定な雇用と伸びる寿命が早期引退を促している。

お金よりも自分が主導する人生への渇望も理由だ。サムスン電子、現代カードなどでデザイナーとして勤務していたが、3年前にファイア族に合流したヨ・シンウクさん(39)は「会社の業務には満足していが、人生を再設計したいという欲求が強まった」と語った。

早期引退を選択したMZ世代の武器は金融常識だ。NH投資証券100歳時代研究所のキム・ジンウン首席専門委員は「国内のファイア族は消費縮小よりも投資で富を築く部分を重視している」と指摘した。

◆「金融知識を持つMZ世代、月給では富を築けず投資に視線向ける」

世宗大のファン・ヨンシク経営学部教授は「金融知識を持って投資力量を備えているMZ世代は、職場の上司の下で苦労して働くくらいなら、投資で稼いでファイア族になろうとする確率が高い」と説明した。

それでも苦労して就職の関門を突破したMZ世代が退社を急ぐのには「未来に対する不安感」があるというのが専門家の共通した意見だ。生涯の職場という概念が弱まっているうえ、60歳まで定年が保障されるとしても「100歳時代」を考慮すれば、老後の準備に目処が立たないからだ。

慶煕大のイ・テクグァン・グローバルコミュニケーション学部教授は「正社員が減り、大企業も職員をあまり採用せず、20・30代が実質的な老後設計をできない社会になった」とし「安定した職場に入っても株式や不動産、暗号通貨への投資で資産を築いたケースを見ながら、労働所得より資本所得を増やすことに関心が向かうしかない」と話した。

若者の不安感に火をつけたのは資産価格の急騰だ。KB国民銀行によると、6月の年間所得比ソウル住宅価格比率(PIR)は18.5だった。歴代最高だ。ソウルに住む中位所得(所得順で中間世帯の所得)世帯が月給を一銭も使わず18年6カ月間にわたり貯蓄してこそ住宅を購入できるということだ。17日基準でKOSPI(韓国総合株価指数)は1年間に30%上昇した。

一方、勤労所得はほぼ横ばいだ。勤労者の賃金実受領額(社会保険料と勤労所得税を除外)は2010年の357万ウォンから昨年は435万ウォンへと年平均2%増にとどまった。韓国経済研究院が過去10年間、300人以上の企業の月平均賃金統計を分析した結果だ。月給だけでは富を築くことができないという認識が強まっているということだ。

成均館大のク・ジョンウ社会学科教授は「急激に上がる住宅価格に剥奪感と不安感を感じる若者が増えている」とし「労働価値が低い会社の仕事よりも投資で資金を増やすことに集中する」と話した。

ソウル大のクァク・クムジュ心理学科教授は「職場を自己の啓発や成就感を見いだすよりも単純に金を稼ぐところと認識する傾向が強まり、出世をあきらめる人だけでなく、早期引退を目指すファイア族が登場している」と説明した。

ファイア族が登場する韓国社会の問題を心配する声も強まっている。高麗大のキム・ユンテ社会学科教授は「良い職場を創出することが重要であり、国家的なレベルの産業政策も必要だ」と強調した。
COPYRIGHTⓒ 中央日報日本語版  2021年09月23日 10:56
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