出生届も出産記録もなし…「亀尾３歳女児遺体」ミステリー

慶尚北道亀尾（クミ）で２月にミイラ化遺体で発見された３歳の女児の実母とみられるＡ（４８、逮捕）は、産婦人科に行った記録がないことが把握された。Ａは当初、死亡した女児の母方の祖母と知られていたが、警察のＤＮＡ検査の結果、実母であることが明らかになり、各種疑惑が増幅している。

亀尾警察署は１２日、「一般的には妊娠したかどうか確認したり超音波検査などのために病院に行くはずだが、これに関連する記録が全くない」とし「（Ａが）産婦人科など病院で出産した痕跡もない」と明らかにした。

警察はＤＮＡ検査の結果に基づき、Ａが死亡した女児を出産した後、出生届を出さなかったとみている。警察の分析が事実であれば「Ａの女児がどこで、どのように生まれたのか」という疑問が出てくる。女児がＡの娘Ｂ（２２、逮捕）と元夫の間の子どもとして育てられた理由にも関心が向かう。

警察はＡが娘Ｂとほぼ同じ時期にそれぞれ娘を出産したが、Ａが密かに娘を取り替えたとみている。Ｂの場合、病院で出産した記録が残っているからだ。警察によると、Ｂは出産後、産後ケア施設で一定期間を過ごした。その後、Ｂは出生届を出し、亀尾市から毎月の児童手当も受けてきた。警察は一連の過程から、Ｂが死亡した女児を自分の娘と考えていた可能性が高いとみている。これに先立ちＢは女児を放置した理由について「元夫の子どもなので憎かった」と話していた。

◆警察「娘Ｂの出産記録はある」

Ｂが出産した女児がどこにいるのかも疑問だ。Ａが自分の子を孫娘と取り替えたとすれば、Ｂが出産した女児が行方不明となるからだ。警察はＢが産んだ女児の行方を捜すのに捜査力を集中している。

Ａは女児を取り替えた容疑（未成年者略取）で逮捕された後、すべての容疑を否認している。大邱（テグ）地裁金泉（キムチョン）支部での１１日の容疑者尋問では「（死亡した女児は）娘（Ｂ）が産んだ子」と主張した。またＡは「出産をしていない」とも話した。

◆警察「Ａを助けた人がいるはず」

警察はＡの妊娠と出産を助けた人がいるとみて調べている。ＤＮＡ検査の結果に誤りがある可能性は事実上ないというのが、警察と専門家の共通する見解であるからだ。

同時に警察は死亡した女児の父親も捜している。Ａの夫はＤＮＡ調査の結果、父親でないことが確認されたからだ。警察はＡの携帯電話から連絡先が把握された人たちに同意を求め、順にＤＮＡ検査を進めている。１２日午後５時まで死亡した女児の父親として一致するＤＮＡは確認されていない。

警察関係者は「個人情報と検査対象は明らかにできないが、死亡した女児の父親を捜しているところ」とし「これまで一致するＤＮＡ検査結果は出ていない状態」と話した。

これに先立ち先月１０日、亀尾のマンションで３歳の女児が遺体で発見された。警察はＢが昨年８月、女児を放置して引っ越しをしたことを確認した後、殺人および児童福祉法違反（児童放任）などの容疑で逮捕した。しかしＤＮＡ調査の結果から今月１０日、女児の実母が祖母Ａであることが確認され、各種疑惑が増幅した。