ワクチン接種はやっと始まったのに…「コロナが終わったかのように」観光地・ショッピングモールは賑わい＝韓国

「もどかしいと思っていた中、百貨店の開店ニュースを聞いて来たが、ここまで込み合うとは思いませんでした。ソウルの人はみな集まったようですね」

三一節（独立運動記念日）連休の最後の日である１日午後、ソウル汝矣島（ヨイド）に位置した百貨店「ザ・現代ソウル」を訪ねた会社員イさん（３０）は３０分で建物を出た。イさんは「雨が降って室内で友達に会うために来たが、食事をしようとしても基本的に行列が１時間以上待たなければならない。ひょっとして感染するのではないかと思って他の場所に移動した」と話した。会社員パクさん（３０）も「駐車場に入ろうと３０分以上待っていたが、他の場所に駐車して入ってきた」として「連休最後の日なのでみんな遊びに出てきたようだ。『ウェイティング地獄』だ」と話した。

百貨店の内部では訪問客の体温を測定しマスクをつけるようにしたが、所々に用意された休憩椅子ではマスクを外してコーヒーを飲んだり、パンを食べたりする人々が見えた。訪問客キムさん（２８）は「みんな集まって座っており、マスクもきちんとつけず、防疫が懸念されるのは事実」と話した。

京畿道（キョンギド）高陽市（コヤンシ）に位置したスターフィールドでも連休を迎えてお客さんで込み合った。子どもとともに来た主婦イさん（３８）は「その間、私だけが出かけていなかったようだ。新学期の準備のために出てきたが、大勢の人が集まって驚いた」と話した。

３日間の連休の間、観光地やショッピングモールの所々に人が集まると、専門家は新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）再拡大の可能性に懸念を示した。梨大木洞（イデ・モクドン）病院呼吸器内科のチョン・ウンミ教授は「本当に危険な時期」として「ワクチン接種が今やっと始まったのであり免疫が完成されたわけではない。７－９月期から本格的に一般人への接種が始まるので、少なくとも秋までは危険が続くだろう」と話した。また「先にワクチンを打ったイスラエルの場合も封鎖を緩和するとすぐに感染者が増えた」と警告した。全世界ワクチン接種率１位となっているイスラエルは最近１週間、感染再生産指数が０．８から０．９９に上昇した。

クォン・ドクチョル保健福祉部長官はこの日、ブリーフィングで「連休に主な観光地やショッピングモールに人々が集まった。ワクチン接種とともに春風に防疫の警戒心が雪が解けるようになくなったのではないか非常に懸念される」と指摘した。

一方、１日疾病管理庁によると、新型肺炎ワクチン接種３日目である先月２８日全国で７６５人がワクチンを打った。累積接種者は２万１１７７人だった。人口比接種率は０．０４１％だ。一部では接種速度が遅いのではないかという指摘も出る。

接種初日である２６日（１万９１２７人）に比べると、２日目（１２８５人）と３日目に接種者が大きく減ったのは週末・休日の影響とみられる。疾病管理庁関係者は「週末、療養病院・療養施設の勤務者が減って接種者も減る。療養施設は異常反応が生じる場合、対処を考慮して接種日を病院診療が容易な平日に決めたところが多い」と説明した。

新型肺炎予防接種対応推進団のチョ・ウンヒ教育指針支援官は「インフルエンザワクチンは全国開業医で全方向で接種を実施するが、新型肺炎ワクチンは導入初期なのでそのようにするわけにはいかない」と説明した。

高麗大学安山（アンサン）病院感染内科のチェ・ウォンソク教授は「今ワクチンを積んでおいて接種するわけではない。入ってくる物量を考えると、速度が遅いとは考えない」と話した。チャ医科大学のチョン・ビョンニュル教授（前疾病管理本部長）は「今は速度戦よりは安全性に気を遣って国民の信頼を築く時」と強調した。