「コロナ終わっても自宅・事務室のハイブリッド型勤務増える」＝韓国

韓国銀行は新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）がいつか終息しても在宅勤務は継続して増えると展望した。在宅勤務の拡大が部分的に大都市の空間構造の変化につながる可能性もあると見通した。賃貸料が高い大都市の事務室の必要面積が減り、勤労者の郊外移住需要を増加させることができるためだ。

韓銀は１３日、「新型コロナ事態による在宅勤務拡散、争点と評価」というタイトルの報告書を出した。韓銀は「多くの職員が強制的に（在宅勤務に）参加し、在宅勤務に対する認識がかなり改善された」とし「在宅勤務が効果的に回るように職員と企業がすでに多くの時間と資源を投資した」と説明した。

報告書によると、新型コロナの余波で米国と欧州では４～５月に全体勤労者の半分ほどが家で仕事をした。韓国内でも在宅勤務を利用する勤労者が大幅に増えた。統計庁によると、８月を基準として在宅や遠隔勤務を行う勤労者は５０万３０００人だった。１年前（９万５０００人）と比較すると４３０％ほど急増した。柔軟勤務制を利用している勤労者のうち、在宅勤務の比重は８月１７．４％で、１年前（４．３％）に比べて非常に高かった。

韓銀関係者は「消費でオンラインショッピングが、企業活動で遠隔会議が増えたように、在宅勤務も新型コロナが落ち着いても傾向的に増えるだろう」と話した。自宅と事務室を柔軟に利用する「ハイブリッド」（混合）形態の在宅勤務が増えるという観測だ。

韓銀は「在宅勤務の拡大が事務室の必要面積を減らすことによって制限的ながら大都市商業建物需要を低くする要因として作用する可能性がある」とし「職場・住居近接の必要性を減らし、職員が住居費の安い地域に移住する場合もある」と分析した。ただし、大都市に住む理由として職場と住居の近接性だけがあるわけではないため、在宅勤務の拡大で郊外移住の需要が突然急増することはないと見通した。

韓銀は在宅勤務で勤労者の通勤時間が減り、業務の集中力が高まるのは生産性を高める要因だとみている。企業の立場でも在宅勤務を活用すれば雇用関連の費用を節約することができる。だが、企業が家で仕事をする勤労者の勤務態度を一つ一つ点検しにくいため、勤務怠慢を招いたり管理費用を増加させたりする可能性もある。構成員間の対面相互作用が減り、業務関連の知識をうまく伝授することができず、創意性の発現が難しくなることも生産性を低くしかねない要因だ。

韓銀は「平均出退勤時間が長く、情報技術（ＩＴ）基盤が発達した国は在宅勤務の拡大で生産性が向上する場合がある」と分析した。全体人口の半分ほどが首都圏に住み、このうち相当数がソウルに出退勤している韓国が、ここに該当する。在宅勤務が勤労者の生活の質を高めるかそうはないかに対しては、二つの側面がすべてあるというのが韓銀の説明だ。韓銀は在宅勤務が人生の質の向上に寄与するためには家庭内勤務・住居空間をしっかり分離して（子女の）ケアサービスや学校を正常化することが必要だと指摘した。

韓銀関係者は「多くの企業が在宅勤務を活用する業務範囲を次第に広げ、最適な在宅勤務の組み合わせを探っていくだろう」としながら「この過程で勤務時間よりは成果を重視する文化も席を占めていくだろう」と話した。