韓国できょうから防疫レベル引き上げ　首都圏は「部分的ロックダウン」

韓国で新型コロナウイルス流行の「第３波」が拡大していることを受け、８日から首都圏のソウル市、京畿道、仁川市で防疫対策「社会的距離の確保」のレベルが第２．５段階に、首都圏以外の地域で第２段階にそれぞれ引き上げられた。５段階あるレベルのうち第２．５段階は上から２番目、第２段階は上から３番目で、２８日までの３週間維持される。感染者拡大に歯止めがかからない場合は期間が延長されるかレベルがさらに引き上げられる可能性もある。

　政府は１１月７日から、従来３段階に分けていた社会的距離確保のレベルを５段階に細分化した。首都圏に対しては１１月１９日に下から２番目の第１．５段階、同２４日には第２段階にそれぞれ引き上げた。多数の感染者が出たサウナやエアロビクス教室など首都圏の一部施設については１２月１日から、防疫を強化した「第２段階プラスアルファ」の措置を取ったが、効果が表れずレベル引き上げが決まった。

◇首都圏で５０人以上の集まり・行事禁止

　「社会的距離の確保」のレベルが第２．５段階の首都圏では５０人以上が参加する集まりや行事の開催が禁止され、大勢の人が利用する施設は午後９時以降の運営が禁止される。

　政府は首都圏の住民に対し、外出や集まり、他地域への訪問を自粛するよう呼び掛けている。

　クラブなどの遊興施設５種、カラオケボックス、スタンディング形式のライブハウス、屋内スポーツ施設などには事実上の営業停止措置となる集合禁止措置が下された。屋内スポーツ施設にはスポーツジム、ゴルフ練習場、ビリヤード場などが含まれる。

　冬休み中の児童、生徒の外出を最小限にとどめるため、全ての塾も休業となったが、大学入試関連の授業と職業能力開発訓練課程は例外として認められた。

　大型スーパー、百貨店、映画館、ネットカフェ、理美容店、ゲームセンター、テーマパークなど大部分の一般管理施設の営業時間は午後９時までで、スーパーや百貨店などでの試食も禁じられる。

　結婚式場、葬儀場の利用人員も５０人未満に制限され、スポーツ試合は無観客で行われる。学校の登校人数は全体の３分の１以下に制限される。

　カフェと飲食店の利用制限措置は第２段階と同じで、カフェでは持ち帰りと出前のみ営業が認められ、飲食店は午後９時以降は持ち帰りと出前のみ可能だ。

　宗教活動は非対面が原則で、対面での活動は２０人以下の場合のみ認められる。

　第２．５段階では市中感染のリスクが高いため、屋外でも人との距離を２メートル以上確保できない場合はマスクを着用しなければならない。これに違反し摘発された場合は１０万ウォン（約９６００円）の過料が科される。

　第２段階に引き上げられた首都圏以外の地域では、遊興施設５種の営業が３週間中断される。カラオケボックス、スタンディング形式のライブハウス、屋内スポーツ施設などは午後９時以降の営業が禁じられ、カフェと飲食店では首都圏と同様の利用制限措置が取られる。

　一般管理施設の防疫も強化される。

　屋内スポーツ施設は利用人数が４平方メートル当たり１人に制限され、午後９時までの営業となる。温浴施設、映画館、ゲームセンター、塾、職業訓練機関などでは飲食が禁止され、利用人員の制限や利用者同士の距離確保などで密集度を下げなければならない。

　１００人以上の集まりや行事の開催が禁じられるため結婚式場や葬儀場の利用者も１００人未満に制限される。スポーツ競技場の観客数も収容人員の１０％に制限される

　各地方自治体は状況に応じて防疫措置を調整できる。