株価が語るコロナ禍にも好調なＫ－エンタメの力

エンタメ株価が躍進中だ。今月に入り、ＪＹＰ・ＹＧ・ＳＭエンターテイメントの株価はそれぞれ２１．７８％、１９．１６％、１５％上昇した。実際、エンターテイメント業種は新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）の感染拡大に大きな打撃を受けた。公演の売上高が大幅に減るためだ。３社とも３月に株価が１万ウォン（現レートで約８９８円）台に急落した理由だ。しかし、いつの間にかＹＧは４万８５００ウォン、ＪＹＰは３万６３５０ウォン、ＳＭは３万５９００ウォン（１４日終値基準）まで上昇した。新型コロナ以前の水準に回復したのはもちろんのこと、ＹＧとＪＹＰは５２週間新高値を更新した。

これはまず、外国人投資家の関心が集中しているおかげだ。外国人は最近１０営業日の間にＪＹＰ・ＹＧ・ＳＭの株をそれぞれ３４万１４６０株、２６万６９２８株、２３万５６３５株買い越した。４－６月期の業績も悪くなかった。ＳＭは昨年より２４０％増の１３２億ウォンの営業利益を申告した。ＪＹＰとＹＧは昨年よりそれぞれ３．９％、１０．２％減の９１億ウォン、１８億ウォンの利益を上げたが、市場の予想よりは良かった。上場を準備中のＢｉｇＨｉｔエンターテインメントも上半期４９７億ウォンの営業利益を上げたと発表した。昨年より２７．１％増の金額だ。

何よりもアルバムがよく売れた。コンサートがなくても、エンターテインメント業界が好調な背景でもある。ファンダム文化をよく知らない人ならば「最近、アルバムを買う人がいるの？」と思うかもしれない。実際、世界の実物アルバム販売量は減っている。異例の韓国は毎年増加傾向にある。「オフライン公演がキャンセルされると、ファンクラブを中心にアルバムを大量に購入する流れが生じた」というのが新韓金融投資ソン・ジュンウォン研究員の説明だ。寄付購入（決済だけ行い、実物は受領しない）も活発だ。

ＪＹＰはＧＯＴ７（ガットセブン）、ＴＷＩＣＥ（トゥワイス）、Ｓｔｒａｙ　Ｋｉｄｓ（ストレイキッズ）がいずれも自己最高記録を出し、４－６月期に１４０万枚を販売した。ＹＧは新人グループ「ＴＲＥＡＳＵＲＥ（トレジャー）」がデビュー前から２０万枚を販売した。ＫＴＢ投資証券のナム・ヒョジ研究員は「認知度が高くない時期にも関わらず過去最多の予約注文を記録した」とし「ことしはＢＬＡＣＫＰＩＮＫ（ブラックピンク）の寄与が大きいが、来年からはＴＲＥＡＳＵＲＥの寄与も高まり、安定した収益を出すだろう」と分析した。

ＳＭはことし７６０万枚まで販売できるだろうという見通しが出ている。ハナ金融投資のイ・ギフン研究員は「中国のファン層が厚いＥＸＯ（エクソ）、ＮＣＴなどのアルバムが信じがたいほどの急成長を見せ、デジタル音源、ＣＤの収益性が急速に改善されている」と述べた。

オンライン公演も危機をチャンスに変えることに貢献した。一番初めにオンライン公演を始めたＳＭは、４月から６回にわたりオンライン公演を行い、同時アクセス数が１０万人を超えたこともあった。うまくいけば、オフラインのコンサートよりもオンラインコンサートの方が高い収益を生む可能性がある。ユーチューブ、スポーティーパイなどのオンラインプラットフォームのおかげも大きい。ソン研究員は「プラットフォームの手数料、制作費・出演料などを除いても、最終的には利益が出る」とし「公演回数が増えれば、固定費レバレッジ効果で利益が大きくなることができる」と述べた。証券市場の雰囲気も良い。下半期に防弾少年団（ＢＴＳ）の所属事務所ＢｉｇＨｉｔエンターテインメントの株式公開（ＩＰＯ）が予定されている。各証券会社は一斉に大手企画会社の目標株価を上げた。

もちろん、新型コロナの長期化はエンターテインメント業界にとって大きな負担になっている。ＢＩＧＢＡＮＧ（ビッグバン）のカムバックを準備中のＹＧも同様だ。元大（ユアンタ）証券のパク・ソンホ研究員は「売上高の割合が大きいＢＩＧＢＡＮＧが年内カムバックしない場合は来年の業績展望が悪くなるおそれがあるが、新型コロナの長期化のためにカムバック時期は予測し難しくなっている」と分析した。