「20代、新型コロナを甘く見るな」25歳韓国人感染者の病床日記

◆２０年４月２５日

新型コロナにかかって２週間痛すぎて生死をさまよってえんま大王とハイタッチをするところだった私は現在、何もしたくない無気力症にかかっている。

◆２０年４月２９日

新型コロナにかかって思ったことがある。「未来を生きず、現在を生きよう」ということだ。やりたいことをやりながら生きよう。私の人生がいつ終わるか分からないから。

４月新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）に感染した大学生イ・ジョンファンさん（２５）の「新型肺炎病床日記」の一部だ。彼は一日にも何度も日記をつけながら新型肺炎を勝ち抜いているという。また、自身の闘病生活を映像で作りユーチューブに掲載している。最近、ソウル梨泰院（イテウォン）クラブ発新型肺炎の集団感染事態などを見守りながら２０・３０代若年層に新型肺炎に対する警戒心を発信するためだ。イさんによると、新型肺炎は決して軽い病気でない。

イさんは１月、トルコ・イスタンブールに交換留学を行って新型肺炎が拡大すると３カ月後である４月４日に帰国した。帰国翌日、無症状陽性と判定され、２日後に高熱など症状が現れてからはずっと病院にいた。２４日で入院４９日目になった。

イさんは「症状が一番ひどかった時は全身に痛みを感じる筋肉痛のせいで睡眠を一日に１時間も取ることができなかった」と話した。熱が３９度まで上がり、せき・痰の症状も現れた。このような症状は約１４日間続いた。治療薬の副作用で消化不良・嘔吐・下痢などの症状も体験した。イさんは「ただ一つの症状が苦しいわけではない。各症状が重なって苦しかった」として「病室に体重計がなくて正確には分からないが、ご飯を食べたり水を飲んだりすることができないから体重がひと目で分かるほど減った。顔が真っ青になった」と話した。

３～４日に一回ずつ繰り返される診断検査で陽性判定が続き、入院３３日目にはうつ病にも直面した。１０回の検査で毎度陽性と判定されることに伴う不安感が襲ってきた。憂うつ感を勝ち抜くために彼が選んだのは作文と運動だ。イさんは「陽性判定が続くことで無気力症と憂うつ感を感じたが、その都度日記をつけている」として「現在は感情的に安定している」と話した。健康状態を回復した感染３週目からは毎日１時間ずつ軽い運動もしているという。

最近梨泰院クラブから始まった集団感染事態を見守っていた彼はメッセージを忘れなかった。防疫指針を守らなかった代価は自身だけでなく自身の周辺が経験する可能性があるという警告だ。「新型肺炎にかかる前まで私もそれを甘く見た。だが、実際にかかってみると、２０代だといっても新型肺炎にかかれば痛くて死にそうだ。親や高齢の家族がかかれば本当に痛くて死ぬかもしれない。（新型肺炎が）皆さんと皆さんの家族の命を奪うこともあり得るということを肝に銘じてほしい。一部の人々の逸脱で多くの方々が被害を受けているようだ」。

イさんは新型肺炎の感染事実を周辺に知らせ、感染者に向かった社会的な烙印に戦うことにしたのは自身を応援する家族と知人のおかげだといった。そのため、周辺に感染者がいれば温かい一言を伝えてほしいというのがイさんの呼びかけだ。彼は「死にたいほどつらかったが、私が偉くて耐えられたのでなく周辺から受けた関心と愛のおかげで耐えることができた。私を救ったのは家族と友達」と話した。

感染は彼の人生をどのように変えたのだろうか。死に触れ合っている人生の中で「後でいいから」を言い訳に後回しにしてはならないというのが彼が下した結論だ。「今まで死について考えたことがないが、新型肺炎を体験してみたら死と人生が遠くないという気がした。『就職すれば親に親孝行しよう』という思いのように未来を生きるのではなく、『今親に親孝行したいから手紙を書こう』と思って今を生きていきたい」。