「唾を吐けば申告」警告文まで…韓国、今日から登校で「超緊張」

授業中にも教室の扉を開けておき、担任教師が引率して給食室に移動する。新型コロナウイルスの感染拡大以降、高校３年生の最初の登校が始まる２０日から変わる学校の風景だ。

◆登校を翌日に控え「距離確保」に忙しい教室

１９日午前、光州（クァンジュ）のビッゴウル高校。３年３組の担任のチャン・ドンスル先生は出勤すると、生徒の机の間に立って両腕を広げ、１メートル以上離れているかどうか距離をチェックした。「学校の授業も生活の中での距離を保つ」という原則のためだ。

同校３年の担任教師は「１メートル以上の距離を維持」「右側通行」などと書かれた紙を準備した。１階の正門から４階の３年の教室まで生徒の動きを分けるための緑色のテープと「右側通行」「集団で移動しない」「雑談しない」「生活の中での距離維持」などと書かれた紙が貼り付けられている。

２０日に同校の計９組・２５０人の高校３年生が登校する。チョン・グァンヒ行政室長は「生徒の細かな動きまで距離を保たなければいけないので、学校生活が大きく変わるしかない」とし「生徒が集まる状況をできる限り減らすため学校に２つあった自動販売機もなくした」と説明した。

◆８時前の登校禁止、授業中にも教室の扉を開放

ビッゴウル高校３年の生徒は午前８時前には登校できない。すべての生徒を対象に建物の出入口に置かれたサーモグラフィで発熱症状を確認しなければならないため、８時から８時３０分の間に登校時間が制限される。教室でも担任教師が体温計を持って生徒を待つ。

３年の教室では扉に「出入り口は常に開けておく」と書かれている。多くの生徒が密集した空間で長時間を過ごすため、感染予防には何よりも換気が重要となるからだ。授業中にも教室の扉を開けておくしかない。

教師らは「エアコンも十分に使用できないので生徒たちが心配」と話した。「窓を３分の１以上開けておけばエアコンをつけてもよい」という声も出ている。新型コロナ拡大予防が最優先されるため、雨が降る場合などを除いて窓を常に開けて換気を生活化する原則が適用される。

◆担任と給食室に移動、指定の席で食事

昼休み時間になると、生徒は担任・副担任の教師２人の引率で給食室に移動する。給食室の出入り口も偶数組と奇数組に分けられる。チャン・ドンスル先生は「生徒だけで移動すれば群れになったり、走り回って別の組と接触したりする可能性があるので、必ず教師と一緒に移動する」とし「食事を終えた後も教師が引率して教室に戻る」と話した。

食事中も距離の維持は続く。給食室には１組から９組まで組別に指定された席がある。約５００席にすべて番号札が設置され、座席ごとに個人読書室のように透明アクリルで仕切られている。

浄水器には「うがい禁止」「唾を吐いた人は申告」という警告文もある。水も生徒１人ずつ個別に支給される個人のコップを使って飲まなければいけない。多数の生徒が利用する給食室で新型コロナ感染事態を防ぐための行動要領だ。

◆登校を待つ教師は「緊張とときめき」

チャン・ドンスル先生はこの日、黒板に「３－３歓迎、２０２０入試大成功」という文字を力強く書いた。登校日の翌日の２１日、ビッゴウル高校３年生は登校後初めての模擬試験を受ける。新型コロナ事態で延期されていた学事日程が登校と同時に始まる。

チャン先生は「生徒たちも登校が待ち遠しいのか、団体チャットルームで『明日の登校日は本当に間違いないのか』などと尋ねている」とし「早く会いたいが、生徒が感染しないだろうかという心配もある」と語った。