20代の経済活動参加率、過去最低に

２０代の経済活動参加率が、関連統計の作成が始まった９６年６月以来、最も低い水準となった。

景気低迷で就職が厳しくなり、求職を一切あきらめたからだ。

統計庁が１６日に発表した９月の雇用動向によると、２０代の経済活動参加率は６２．７％で、前年同月（６３．５％）に比べ０．８ポイント下落した。経済活動参加率とは、１５歳以上の人口のうち、現在、職がある人または職はないが求職活動をしている人を合計し、１５歳以上の人口で割った比率だ。求職活動をしていなければ、経済活動参加率の計算に含まれない。９月ベースの経済活動参加率は０４年に６５％台、０６年に６４％台、昨年６３％台をそれぞれ維持したが、今年に入って６２％に落ち込んだ。２０代の経済活動参加率が下落したのは「求職活動をしていない」と回答した割合が高まったからだ。

このように当分就職をしないという２０代が増えたが、２０代の失業率はむしろ減ったことが分かり、統計の問題点も指摘される。９月ベースで２０代の失業率は６％と、前年９月（６．９％）に比べ減少した。雇用率もともに下がった。今年９月の雇用率は５８．９％で、前年９月（５９．１％）に比べ減少した。

こうした統計の歪曲（わいきょく）は、全体失業率と雇用率を見てみても同じだ。今年９月の新しい雇用は１１万２０００人にとどまった。昨年９月の雇用（２９万２０００）に比べ１８万人が減った数字だ。それなのに失業率は今年９月と昨年９月いずれも３％で差がない。

これは失業率の統計を出す方式が、現実をきちんと反映できずにいるからだ。失業率は経済活動人口全体で占める失業者の割合だ。職に就く意志があっても求職活動をあきらめた「事実上の失業者」は経済活動人口に含まれることから、失業率が低く示されるのだ。こうした求職断念者と「休んだ」と答えた人を合計した数字は２０６万人にものぼる。これらをすべて失業者として計算すれば、失業率は１０．５％となる。