韓国旅行「コネスト」 日本のキム・スヒョン、坂口健太郎「空洞だった時、韓国ファンから…」。韓国の芸能ニュース
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日本のキム・スヒョン、坂口健太郎「空洞だった時、韓国ファンから…」

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「ファッション雑誌にモデルとしてデビューしたときには今のように産業映画の主演を任されるなんて夢にも思っていませんでした。これからどんな自分になるのか分からないまま、ただこのまま進みたいと思っています。目標に向かってまっすぐ進むのもカッコいいですが、可能性を制限したくないんです」

11日に韓国で公開される日本のファンタジーメロ映画『今夜、ロマンス劇場で』(監督・武内英樹)を引っさげて来韓した演俳優・坂口健太郎(27)の言葉だ。4日、ソウル江南(カンナム)のとあるホテルで坂口に会った。

日本で2月に公開された『今夜、ロマンス劇場で』は、7週間で累積収入10億円を突破したヒット作だ。日本のトップスターでもある相手役の綾瀬はるかの人気も大きかったが、何より「健太郎マジック」が通じたという評価だ。

最近、坂口は日本で最もホットなライジングスターだ。ある韓国の日本通は坂口のことを「日本のキム・スヒョン」にたとえた。韓国で俳優キム・スヒョンがそうだったように、ものすごいスピードでファン層を広げているという意味だ。坂口はファッション雑誌のモデル出身で、2014年から演技を始めてこの4年間で主演級に成長した。昨年と今年、韓国でも公開された映画『君と100回目の恋』『俺物語!!』とテレビドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016)、『重版出来!』(2016)等、ジャンルを網羅しながら存在感を強めてきた。昨年、釜山(プサン)国際映画祭に招待された行定勲監督の映画『ナラタージュ』では愛のために悲嘆に暮れる青年を黙々と演じて好評を受けた。

韓国とも縁が深い。韓国ドラマが原作の日本版『ごめん、愛してる』(2017)、『シグナル 長期未解決事件捜査班』(2018)で相次いで主役を演じた。日本版『シグナル』の主題歌を歌った防弾少年団(BTS)が4月に日本ファンミーティングを行った時は、観客として参加した。坂口の来韓は今回が初めて。彼は「帰国するまでに韓国語単語を5つ覚えて帰ろうと思っているが、まず『ソメク(焼酎+ビール)』を覚えた。『ソメク』が肉よりおいしかった」と紹介した。

1960年代が舞台の今回の映画『今夜、ロマンス劇場で』で坂口が演じた健司は映画監督を目指している無邪気な青年だ。モノクロ映画のヒロイン、美雪(綾瀬はるか扮)に恋をして毎晩1人で映画館に通っていた健司は、ある日スクリーンから飛び出してきて現実世界に現れた美雪と時空間を超えた恋に落ちる。

「健司は情けなくて気弱だが純粋で温かい人です。嬉しいことがあれば喜び、がっかりすればあきらかにそれが出るほど感情表現に素直です。そういうところが羨ましくもありました。私は25歳の時にこの映画に出演しましたが、2年が過ぎた今だったら、その時演じたようにはできなかったかもしれません。とても良いタイミングで出会うことができ、心をこめて演じました」。

2年間で何が変わったのかと聞くと、静かに目を閉じて考えをめぐらせた。「たとえば、私は小説が好きでたくさん読むのですが、名作も読む時の状況によって心に響くこともあるし、評価がそれほど良くない本も私にとってはバイブルになることがあります。健司は運良く適切なタイミングに響きをくれる役割として出会いました。今演じることになれば2年前に表現した感情は全て出てこないような気がします」

--実際の性格は。

「前向きなほうなのでマイナス的な感情には鈍い。普段は感情の『節電状態』を維持し、演じる時にエネルギーを一気に取り出して使う(笑)」

--健司と似ている点もあるか。

「健司と同じく映画館が好きだ。子どものころには休日に映画館に行くときは遊園地に行くことと同じくらい楽しみだった。日本では今でも古典映画を上映する映画館があるが、家でテレビで鑑賞するよりも映画と自分が1対1で向き合えるような感じがして好きだ」

--相手役の綾瀬はるかとは是枝裕和監督の『海街diary』(2015)以来、2回目の共演だが。

「前作では私はただの通りすがりの役だったから一緒に演技をしたという感じはほとんどない。今回は互いに楽しく撮影した。ドレスを着て現場に現れた綾瀬さんの堂々と気品ある姿を見て『彼女こそヒロインだ』とすぐに納得した(笑)」

--映画で健司が属しているカラー世界にモノクロキャラクターの美雪が飛び込んでくるなど、モノクロとカラー、古典映画と現実が入り乱れる場面がおもしろかった。

「コンピュータグラフィックで事後加工した場面だが、演じるときはいつも『美雪姫はモノクロだ』と言い聞かせていた。一方で、物理的には美雪姫がモノクロだが、健司こそ内面が無色に近い人物ではないだろうかと考えた。他人からいつも怒られて萎縮しているから。そのような健司がおきゃんな美雪姫によって自分だけの色に染まっていく感じを想像して演じた」

--自分を色で表現するとしたら。

「『ハッピーカラー』(笑)!一番好きな色は空色、黄色だ」

落ち着いて話をしながらもときおり見せる笑顔にはえくぼがのぞいた。インタビューが和やかになるにつれて手の動作も大きくなった。韓国観の客に必ず見てほしいという代表作には次の2本を選んだ。「『ナラタージュ』は実際の自分とは正反対に悲しみに深く沈んだ姿を、(ロマンチックコメディの)『ヒロイン失格』では完ぺき男のキャラクターを面白く見ていただけるのではないかと思います」。

すでに韓国にもファンが少なくない。坂口が来韓舞台の挨拶に立つ今回の映画試写会は1分で完売した。「韓国ファンのエネルギーはとてつもない。俳優は表現する職業なので、やればやるほど体の中が空洞になる感じがするときがありますが、多くの力をいただいた」。

韓国俳優のソ・カンジュン似のルックスで、韓日両国のファンの間で話題になったこともある。坂口が共演してみたい韓国俳優にソ・ガンジュンを挙げた理由だ。坂口は「最初はよく分かりませんでしたが、これほどまで周りの人から言われると縁を感じます」と笑った。『ごめん、愛してる』『シグナル』などの韓国原作ドラマを見て「映像を越えて伝わってくるスタッフと俳優のエネルギーが強力だった」と話した。好きな韓国映画には「ヒューマンドラマとスリルを兼ね備えた『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)」を挙げた。「良いタイミングに呼んでくれれば」と、と韓国映画への出演意欲も示した。

映画・ドラマの他に演劇舞台(『かもめ』)を踏むなどして活動領域を広げてきた坂口は、現在に忠実でいたいという気持ちを幾度となく表わした。「未来に対する計画のようなものはありません。今、この時代を生きる坂口健太郎が溶け込んでいるような作品を残したいと思っています」
COPYRIGHTⓒ 中央日報日本語版  2018年07月06日 16:00
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