日本で散逸の「朝鮮王朝実録」 100年ぶり韓国に

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日本による植民地時代の1913年に当時の東京帝国大付属図書館に所蔵され、23年に関東大震災で焼失したとされていた、朝鮮王朝時代の王の業績を記した「朝鮮王朝実録」のうち「孝宗実録」が約100年ぶりに韓国に戻った。

韓国文化財庁国立古宮博物館は2日、韓国の文化財売買業者が昨年11月に日本のオークションで落札した孝宗実録1冊(巻20)を、先月15日に競売会社を通じて購入したと明らかにした。

 この孝宗実録は、国宝に指定されている「五台山史庫本」の一部で、同じく国宝のソウル大・奎章閣韓国学研究院所蔵の「鼎足山史庫本」や釜山国家記録院所蔵のものと同一の版本。編さん時期は顕宗2年(1661年)だ。

 本の内側と本文には「東京帝国大学図書印」との印章が押されている。

 江原道・平昌の五台山史庫に保管されていた朝鮮王朝実録は全788冊だったが、1913年に日本に持ち出され、関東大震災以降は74冊のみが残っていると伝えられていた。

 そのうち中宗実録20冊、宣祖実録7冊の27冊が1932年に京城帝国大(現ソウル大)に移管され、成宗実録9冊と中宗実録30冊、宣祖実録8冊の47冊が2006年7月に韓国に返還された。

 その後、ソウル大奎章閣韓国学研究院が所蔵していた五台山史庫本は、朝鮮時代に実録を複数の史庫に分散しておいた規定に従い、16年に国立古宮博物館に移管された。

 今回焼失したとされていた五台山史庫本1冊が発見されたことで、五台山史庫本がさらに見つかる可能性が高くなった。また、国立古宮博物館が所蔵する実録は計75冊に増えた。

国立古宮博物館は6月24日まで、常設展示室で今回購入した孝宗実録を公開する。

 文化財庁の関係者は「孝宗実録の購入前に法律を検討した結果、所有権は文化財売買業者にあるという事実を確認した」とし、「朝鮮王朝実録は国宝級の遺物であり、孝宗実録も来年に国宝指定を推進する」と述べた。
COPYRIGHTⓒ YONHAP NEWS  2018年04月02日 16:23
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