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ソウル市、粒子状物質を減らすために数十億ウォンを投じて交通費無料政策を展開したが…

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粒子状物質の非常低減措置によって公共交通を無料で利用できる15日午前8時、ソウル貞陵(チョンヌン)から龍山区(ヨンサング)を行き来する市内バス110Bバス。30代男性が「粒子状物質割引」という黄色文字が記された端末機に交通カードを触れると画面に料金が0ウォンと出た。この男性は「粒子状物質のためにソウル市内の公共交通料金が無料ということを昨日あらかじめ聞いた。月曜日に力が出る」と話した。

同じ時刻、地下鉄では公共交通の無料利用に半ば疑う人々が目についた。交通カードも普通のように利用し、乗客数も大きく増えなかった。地下鉄案内員は「無料乗車の手続きを尋ねる乗客だけが時々あった」と話した。会社員のキムさん(33)は「良いことだが、バス・地下鉄を無料で運行するからといって車を利用していた人々が公共交通に乗るかは疑問」と話した。

ソウル市の粒子状物質非常低減措置で公共交通が無料で運行された初日である15日、その効果が大きくなかったことが分かった。この日、地下鉄の利用乗客は前週月曜日(8日)より2.1%増加して市内バス乗客は0.4%増えた。セムナン路など、ソウル市内の主要14地点の交通量を分析した結果、出勤時間帯(午前6時~9時)の市内進入車両が前週より1.8%減った。普段より公共交通の利用客が20%程度増えると予想したソウル市の期待とはかけ離れた数値だ。

市民たちも政策の趣旨に共感しながらも効果に疑問を示した。体感とかけ離れているが、税金で数十億ウォンの交通費を支援する必要があるかとの指摘が多かった。瑞草区(ソチョグ)に住んでいるパク・ミンジョンさん(30)は「当然支払うべき公共交通料金をソウル市が払うことに対して役立つというよりは、なぜ払ってくれるのかという気がした」とし「個人には少ない金額だが、これを合わせれば莫大な税金なのにいっそ生活が厳しい人のために使うか、環境改善事業に使ってほしい」と話した。

ソウル市は公共交通の無料利用にともなう費用の負担額を一日で最大60億ウォン(約6億2530万円)程度と予想している。2016年の状況を仮定する場合、非常低減措置の基準を適用すれば、7日で計算して420億ウォン程度がかかる。このため、一部では「地方選を控えたポピュリズム」という主張まで提起されている。これに対してソウル市関係者は「昨年からすでに予告された政策」としながら「粒子状物質に対する警戒心を高めれば、長期的に効果が出るだろう」と反論した。ソウル市のクォン・ミン大気政策課長は「蘆原(ノウォン)資源回収施設の稼動率を半分に引き下げるなど、ソウル市傘下の12大気排出施設の粒子状物質発生量を15%削減した。公共交通の無料利用が定着すれば、市民自ら車両2部制に参加する効果をあげることができるだろう」と話した。

専門家たちはより具体的な政策が必要だと指摘した。慶煕(キョンヒ)大学環境工学科のキム・ドンスル教授は「粒子状物質予報の正確度が落ちている中でソウル市が公共交通無料政策の導入を急いだため、体感度が低いと考える」と話した。実際、この日午前に降った雨でソウルのPM2.5濃度は予報とは違い「悪い」の基準である1立方メートル当たり50μg(マイクログラム)を下回った。

昨年7月に制度化された非常低減措置が実際に発令されたのは今回が先月29日以降2回目だ。当時は翌日である30日が週末で公共交通の無料利用や公用車量車両2部制は施行されなかった。粒子状物質の非常低減措置は前日0時から午後4時まで粒子状物質の平均濃度が「悪い」の基準を超過し、翌日の濃度も「悪い」日になると予想されると発令される。

地方自治体間の差も市民の不満を呼び起こした。ソウルから京畿道(キョンギド)に出勤するか、その反対のルートを利用する会社員が混乱していたためだ。地下鉄・バス料金はソウル地域に限って無料で運行され、京畿道に移動するなら払わなければならない。たとえば、地下鉄1号線の鍾閣(チョンガク)駅で乗車して仁川(インチョン)の東仁川駅に下車する場合、基本料金(1250ウォン)を除いた乗り換え料金(600ウォン)がさらにかかる。反対に、東仁川駅で乗った場合、乗り換え料金だけが無料で処理される。ソウル銅雀区(トンジャクク)から水原市(スウォンシ)に出勤するある会社員は「隣接している市・道の間にも異なる政策を施行するからむしろ差別を感じる」と話した。

京畿道はこの日「バスを無料で乗せるよりはエコカー電気バスの導入に関連した予算を使わなければならない」としてソウル市の政策を批判した。京畿道は「首都圏地域に公共交通の無料運行を年間15日実施すると仮定すれば、所要予算が年間1000億ウォン以上となり、この中で京畿道は367億ウォンに達する負担を負う必要がある。効果が検証されていない政策」と明らかにした。韓国外国語大学大気環境管理科のキム・ヨンソン教授は「全体の車両通行を減らそうとする試みは妥当だが、ソウル市単独では効果を期待することが難しい」とし「首都圏の地方自治体との連携、中国発粒子状物質に対する国家的対応が先行される必要がある」と指摘した。
COPYRIGHTⓒ 中央日報日本語版  2018年01月16日 16:03
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