国民も選手も五輪を楽しむ時代…雰囲気を壊すテレビ解説

オリンピックは金メダルをめぐって繰り広げる「戦争」ではない。スポーツを通して全国民が盛り上がる楽しい祭りなのだ。

サッカーの２００２年韓日ワールドカップ大会（Ｗ杯）当時、街頭で行われた応援に始まり、こうした流れは２００８北京五輪でも続いているひとつの文化として定着した。

金メダルを取れなかったといってわめいたり、銀メダルにとどまったからといってうつむいたりしない。選手も以前に比べて余裕があり、洗練された姿を見せている。北京五輪で表れた「楽しい五輪」現象を考えてみたい。

◇金メダルがすべてじゃない＝「世界最強」の韓国アーチェリーは男女団体でそれぞれ金メダルを獲得した。個人でも金メダルを期待したが朴成賢（パク・ソンヒョン、２５、全羅北道庁）と朴敬模（パク・キョンモ、３３、仁川桂陽区庁）がともに１点の差で惜しくも金メダルを逃した。しかし朴成賢は淡々と結果を受け入れ、授賞式で明るい笑顔で中国代表を祝う余裕を見せた。テレビで試合を見守る国民も寛大になった。

◇「オルチャン」選手がスターに＝素晴らしい試合でメダルを獲得し、その上ルックスまで良ければ「錦上に花を敷く、極上のもの」と言える。水泳の朴泰桓（パク・テファン、檀国大）に続きバドミントンの混合ダブルスで金メダルを取った李龍大（イ・ヨンデ、三星電気）が「オルチャン（イケメン）スター」として大人気を博している。負傷で倒れながらも最後までバーベルを手放さなかった李培永（イ・べヨン、慶北開発公社）も金メダリストに劣らず人気を集めている。

◇水準について行けないテレビ中継＝レベルアップしたファンについて行けずにいる分野もある。興奮しすぎて韓国代表中心の偏向したコメントで一貫するテレビ中継だ。地上波３局は視聴率にこだわり「大声で叫ぶ中継とぞんざいな言葉遣いの解説」で視聴者を怒らせていると批判が続いている。