＜札幌アジアゲーム＞キム・ヨナの後輩たち、メダルに挑戦

「フィギュア女王」キム・ヨナ（２７）の偉大さを示す記録の一つが「オールポディウム（Ａｌｌ　ｐｏｄｉｕｍ）」だ。フィギュアスケート１００年の歴史上、出場したすべての大会で３位以上の成績を収めた女子選手はキム・ヨナひとりだけだ。

だが、そのキム・ヨナも手にすることができなかったメダルがある。それが冬季アジア競技大会のメダルだ。６年ぶりに開かれる札幌アジア競技大会では「キム・ヨナ・キッズ」らが「ヨナ姉さん」に代わってメダルに挑戦する。

その先頭選手がチェ・ダビン〔１７、修理（スリ）高〕だ。５歳の時にフィギュアを始めたチェ・ダビンは１２歳の時にトリプル（３回転）ジャンプ５種をマスターした「ジャンプの神童」だ。同年国家代表に選ばれたチェ・ダビンは、２０１４年ジュニア世界選手権で６位に入り、２０１４－１５シーズンのジュニアグランプリではキム・ヨナ以降初めてとなるメダル（銅メダル２個）を獲得した。ジャンプに比べて不足気味だった表現力にも徐々に磨きがかかっているという評価を受けている。チェ・ダビンは「ヨナさんが体の使い方や視線の向け方などを詳しく教えてくれた」と話した。キム・ヨナが卒業した軍浦（クンポ）修理高等学校に在学中のチェ・ダビンは、昨年キム・ヨナと同じ所属事務所に入り、機会があるごとにワンポイント指導を受けた。

チェ・ダビンは成長痛の真っ只中だ。今季出場したシニアグランプリでは８位、９位にとどまった。成績が期待ほど出ていなかったため、チェ・ダビンは雰囲気を変えるためにショートプログラムの音楽を映画『ラ・ラ・ランド』の挿入歌に変えることもした。

グランプリでは上位入りはかなわなかったが、チェ・ダビンは気を落とさず、先週江陵（カンヌン）で開かれた四大陸選手権に集中した。チェ・ダビンはオリンピックが開かれる江陵アイスアリーナで開かれたテストイベントで、渾身の力を振り絞って演技をした。１６日のショートプログラムをノーミスで演技をしたチェ・ダビンは、１８日に開かれたフリーでは序盤にジャンプで失敗したものの後半部にコンビネーションジャンプを果敢に成功させて大きな喝采を受けた。結局、チェ・ダビンは個人最高記録である１８２．４１点を得て５位に入った。韓国女子シングル選手のうち、国際大会で１８０点台を越える点数を記録したのはキム・ヨナとパク・ソヨン〔２０、檀国（タングク）大〕に続き、チェ・ダビンが３人目だ。

当初、チェ・ダビンは札幌アジア競技大会には出場できないはずだった。先月の総合選手権で４位に終わって出場権を獲得することができなかった。ところが、パク・ソヨンが足首の負傷で大会出場を断念したことで、キム・ナヒョン〔１７、果川（クァチョン）高〕と共にチェ・ダビンが札幌に行くことになった。

メダルの可能性は高い。チェ・ダビンは２３日、札幌の真駒内公園屋内競技場で開かれた女子シングルのショートプログラムで技術点数（ＴＥＳ）３５．６２点、芸術点数（ＰＣＳ）２５．６８点を加えて６１．３０点でトップに躍り出た。チェ・ダビンはトリプルルッツ－トリプルトゥループのコンビネーション・ジャンプをはじめすべての構成要素を完ぺきにこなした。自身よりも個人最高点が高い本郷理華（日本）や李子君（中国）、エリザヴェート・トゥルシンバエワ（カザフスタン）をすべた抜いた。チェ・ダビンは２５日にメダルの色が決定するフリースケーティングに出場する。



これまで韓国フィギュアスケートが冬季アジア競技大会で獲得したメダルは２個。１９９９年江原大会でヤン・テファ－イ・チョングン組がアイスダンスで銅メダルを獲得したほか、２０１１年アスタナ－アルマトイ大会ではクァク・ミンジョンが女子シングル３位に入った。キム・ヨナは２００７年の長春大会は腰の負傷で出場できず、２０１０バンクーバー五輪以降に開かれた２０１１年大会も出場を断念している。