＜インタビュー＞「いい奴」ドウォン演じたチョン・ウソン

【ソウル４日聯合】封切りを１７日に控えた映画「いい奴、悪い奴、変な奴」で「いい奴」を演じた、チョン・ウソン。３５歳の彼には、依然として美少年のような純粋さとベテラン俳優の老練さが混ざり合っている。四十路が近づき増えた額のしわが誇らしいと語る。「しわが増えるのはそれだけ自然に年齢を重ねているということ。年を取るのは少しずつ賢明になっているということ。何を心配することがあるんですか」と問い返す。

　韓国初のウエスタン映画として話題の「いい奴～」。馬上での演技の苦労話を尋ねると、「ずっと馬と会話をして、あやしていました」と少年のような答えが返ってきた。銃弾が雨のように降り注ぐ現場で、馬上のアクションシーンは俳優にとってもスタッフにとっても大きな挑戦だったに違いない。チョン･ウソンは「大丈夫、けがをさせるわけじゃない」と声をかけ、馬をなだめた。「そうして初めて、馬も自分も落ち着けるんです」。

　撮影当時を振り返り、かっこいいシーンを見せることより、相手役との共感、芝居の呼吸に神経を集中させていたと語る。「俳優として、外見より演技が優先というのは当然でしょう」。チョン・ウソンが演じたドウォンは、登場人物のなかで最も美しいアクションを見せる。長い手足が生み出すアクションは、すでに作品を見た映画関係者の間でも話題となっているほどだが、「かっこよく見えたのならうれしいですが」とやんわり否定する。テグ（ソン・ガンホ）を初めて逮捕する時にあれこれ言い争うシーンに最も愛着があると紹介した。

　４０度を超える暑さ、変化の激しい天候、疾走する馬の上でのアクションと、撮影中、危険はあちらこちらにあふれていた。映画「ＭＵＳＡ～武士～」「レストレス　中天」などで乗馬の経験はあるものの、今回は馬上での銃撃戦まであり、落馬して腕を骨折する事故にも見舞われた。「皆よく分かっていないから勇敢だったんでしょうね（笑）。苦しい状況でも映画を楽しく完成させることができたのは、監督、俳優、スタッフが持つ情熱と、運のおかげ。今までになかった映画なので、皆が『よし、やってやろう』という思いが大きかった」。

　チョン・ウソン、ソン・ガンホ、イ・ビョンホンという当代きってのスター俳優が競演するということでも、映画は大いに注目を集めている。俳優間での競争はなかったが、刺激を受けることは多かったという。撮影の合間、アクション俳優チームと一般俳優チームに分かれ、食事を賭けてサッカーの試合をしていたというエピソードを紹介した。チョン・ウソンとソン・ガンホのチームは試合に１度も勝てなかったが、「ソン・ガンホさんが、けちけちして食事代を出そうとしない。『ガンホ先輩はなぜお金を出さないのか』とイ・ビョンホンさんに尋ねると、もともとお金を出さない人なんだと言ってましたよ（笑）」。

　このところ話題作に乏しい国内映画界にあって、「いい奴～」には不況打開の期待がかかっている。興行成績のプレッシャーが当然あるものと思ったが、周囲でかなり期待をしていることは確かだとしながらも、「（プレッシャーは）ないですよ」とばっさり。完成度が高く楽しめる娯楽作品、韓国映画が世界に広がる分岐点にある大作映画だと評価し、「良い映画だからたくさんの人に見てもらいたいと祈る思いでいます」と語った。