羽生選手が活躍する平昌冬季五輪のアイスアリーナ、14日に完工

平昌（ピョンチャン）オリンピック（五輪）のスケート競技会場がいよいよその姿を表す。

１４日にオープンする江原道江陵（カンウォンド・カンヌン）のアイスアリーナだ。２０１８年平昌五輪ではショートトラックとフィギュアスケートがここで開かれる。

２０１４年６月に工事が始まったアイスアリーナは、２年６カ月で完工を目の前にしている。開館に合わせてテストイベントが開かれる。１６日から３日間開かれる２０１６～１７国際スケート連盟（ＩＳＵ）ワールドカップ（Ｗ杯）ショートトラック第４戦だ。来年２月１６～１９日には、２０１６年四大陸フィギュアスケート選手権も開かれる。平昌五輪を控えて２大会を開催し、ショートトラックとフィギュアスケートにそれぞれ最適化した環境を作るものとみられる。

平昌五輪ではショートトラックとフィギュアスケートの一部の競技が同じ日に開かれる予定だ。平昌冬季五輪組織委員会のソン・ベクユ報道官は「アイスホッケーが冬季五輪の花と言われるが、韓国ではショートトラックとフィギュアスケートの人気がもっと高い。２種目が同じ日に開かれれば、観客がより増えるだろう」と話した。

一つのスケートリンクで２種目の競技を行うのは平昌が初めてではない。冬季五輪元年である１９２４年、シャモニー（フランス）五輪以来、主にアイスホッケーとフィギュアスケートが同じリンクで開かれた。１９９２年アルベールビル五輪でショートトラックが正式種目に採択されてからは、主にショートトラックとフィギュアスケートの競技が一つのリンクで行われてきた。ところで、ショートトラックとフィギュアスケートを同じ日に行うためには、氷板の環境を変える必要がある。

ジャンプの多いフィギュアスケートは氷質が多少滑らかな状態に作らなければならない。一方、速いスピードと急激なコーナリングが必要なショートトラックはかたい氷が必要だ。最適な氷面温度はショートトラックが氷点下７度、フィギュアスケートが氷点下４度だ。

２０１４年ソチ（ロシア）五輪で初めてショートトラックとフィギュアスケートが同じ日に開かれた。しかし、ソチ五輪組織委員会は氷質管理に失敗した。当時、ソチのアイスバーグ・スケート・パレスで開かれた女子ショートトラックでは、パク・スンヒ（２４、スポーツＴＯＴＯ）が５００メートル決勝で２回も倒れた。パク・スンヒは「氷板の所々が深くえぐられ、氷質が良くなかった。追い越しが難しかった」と話した。フィギュアスケート男子シングルで金メダルを取った羽生結弦（２２、日本）と銀メダルのパトリック・チャン（２６、カナダ）もフリースケートの途中に倒れた。

それだけ、フィギュアとショートトラックを同じ日、同じ場所で開くのは簡単なことではない。フィギュアスケートが終わったら３時間以内にショートトラックに適合した服（氷板）に着替えなければならない。２００２年ソルトレイクシティ五輪のショートトラック金メダリストであるコ・キヒョン施設総括マネジャーは「数時間で氷質を変えるのは難しいことだ。レースと演技種目は使われる氷板の範囲から違う。中継カメラの位置、フェンス装置と付着物もすべて変えなければならない」と説明した。その中でも最も重要なのは氷質だ。アイスリンク管理会社「ＩＣＥ　Ｎ　ＳＰＯＲＴＳ」のペ・ギテ技術理事は「種目に見合った氷面温度を合わせるためには、２４時間程度が必要だ。ソチとは異なって平昌では午前にフィギュアスケート、午後にショートトラックが開かれる。氷を溶かすより凍らせる方がもっと容易なのでせめてもの幸い」と説明した。３時間以内に氷面温度を下げるために、１５０冷凍トンの冷却器を３台も設置した。これは一般リンク３つを運営できる容量だ。

フィギュアスケートを午前に済ませるのは米国の五輪主管放送局であるＮＢＣの要求があったためだ。米国で人気の高いフィギュアスケートを午前に行えば、１４時間の時差がある米国東部のプライムタイムに合わせることができる。

３時間で氷質を変えるのは魔法に近いことだ。コ・キヒョンマネジャーは「残りの１年２カ月の間、江陵アイスアリーナの変身シナリオを緻密に構成する計画だ。秒単位まで計算して数万回のリハーサルを行う予定」と話した。