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仏有名料理学校に行った韓国の寺刹料理…「20年物の醤油に驚いた」

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「これは20年寝かせた醤油です。味を見てください」。

先月28日、フランスを代表する料理学校「ル・コルドン・ブルー」の講義室で嘆声が湧き上がった。寺刹料理の大家であるソンジェ僧侶が「韓国の寺刹料理」というテーマで特講をしながら古い醤油を取り出した。僧侶は1年、5年、10年寝かせた醤油を学生たちに試食用に渡した。20年前の醤油を取り出すと一斉に嘆声が起きた。各国から来たル・コルドン・ブルーの学生たちはまず醤油のにおいを嗅ぎ、舌先で味を見て「発酵醤油」の深みを味わった。

この日講義室はぎっしりと埋まっていた。特講を申し込んだ約100人の学生が席をすべて埋めた。立ったままソンジェ僧侶の講義を聞く学生もかなりいた。学生たちの席にはペンとノートを持ったル・コルドン・ブルーの教授も座っていた。直接料理試演をしたソンジェ僧侶は寺刹料理に含まれた精神を解いた。「韓国の寺刹料理は自分と自然をふたつではなくひとつと見る生命観を持っている。仏教の経典には『蜂が花から蜜を取る時に花をそこなわない』という一節がある。寺刹料理もそうだ。花をそこなわずに自然を使う料理法だ」。

仏教的で東洋的な観点が見慣れず新鮮なように学生らは講義に集中した。ソンジェ僧侶は具体的な調理法に先立ち「何のための料理か」という問いをまず自身に投げかけろと話した。「口に合うからと食べ物ではない。気持ちが良くなるからと食べ物ではない。本当に良い食べ物は自分の体に薬となる食べ物だ。そのような食べ物を作る人が最高の料理人だ。料理の材料はどこからくるのか。すべて自然からくる。そのため料理人は自然と人間をつなぐ中間子だ。みなさんはそれほど重要な人たちだ」。学生らの目は輝いていた。

ソンジェ僧侶は1株のハクサイを手にした。「人はこれを『1ユーロのハクサイ』『2ユーロのハクサイ』と呼ぶ。仏教ではこのハクサイを『いくらのハクサイ』とは呼ばない」。僧侶はその理由を説明した。「このハクサイが育つためには空の日光、地の土、東西南北から吹く風、地を濡らす水、そして農夫の手助けが必要だ。だからこのハクサイはどこからきたか。そうだ。全宇宙からきた。ハクサイ1株は全宇宙から出たひとつの生命だ」。だから大切に扱えと話した。「寺刹料理は『全体食』を指向する。食材を捨てない。可能な限りすべてを食べようとする。食べ物は宇宙から来た生命であるためだ」。

ソンジェ僧侶は和えたキムチとサンショウをのせたクルミ、きのこ炒め、ナスの和えものなどを料理し学生たちに味合わせた。フランスの学生ナタリー・ボネルさん(28、女性)は「浪費しないで食材のあらゆるものを使うという言葉が非常に印象的だ。野菜が育つためにどれだけに多くのエネルギーが必要で時間がかかるのか改めて振り返った」と話した。ポーランドからきたというボイチェク・クビチャさん(30、男性)は「韓国料理は初めてだ。新鮮なハクサイと辛い味の調和は驚くほどだ。すぐにパリ市内にある韓国食堂を訪ねるつもりだ」と話した。カナダから来たルビー・スーさん(29、女性)は3つの単語で寺刹料理のイメージを表現した。「新鮮で(freshing)、健康で(healthy)、平和だ(peaceful)。韓国の寺刹料理に含まれた哲学は魅力的だ」。

講義の最後には質問が多く出された。「醤油やテンジャンみそ、キムチは発酵食品だ。なぜ発酵が重要なのか」。ソンジェ僧侶は「私たちの体は生命だ。食材も生命だ。生命と生命が出会えば衝突が生じるかもしれない。ふたつを調和するように結びつけるのが『発酵』だ。食べ物の発酵を通じ私たちは暮らしの知恵まで学ぶ」。時には料理が師匠になると述べた。

ル・コルドン・ブルーの教授陣にはフランス政府が認めた国家名人もいる。最高中の最高に選ばれるシェフだ。彼らが着ている白衣のえりにはフランスの三色旗を象徴する青・白・赤のラインがある。フランス人はそれを見るだけで敬意を表わすという。そんな三色旗をえりに巻いたシェフのエリック・ブリファール教授(55)は「現在はパリであれニューヨークであれ食べ物が原材料の味を訪ねて行く大きな流れがある。良い食べ物はシンプルだ。最近はお金さえあれば何でも持つことができ、何でもすることができる。ところが幸福はそこにない。食べ物に例えるならシンプルなものを探すことが真の幸福だった。韓国寺刹料理の背景にある精神は最も注目される現代的トレンドと脈が通じる」と話した。

そばに立っていたブロア・オグルルト校長(63)も「国家名人シェフ」だ。彼は20年熟成した醤油を味わった所感を明らかにした。「日本と中国でも醤油を多く味わったがこれよりもおいしい醤油を味わったことはない。これが醤油なのかと思った。少しも塩辛くなかった。長い間寝かせたミレニアムワインと同じだといえる。古代から伝わる先祖の知恵が含まれている食べ物だ。一言で驚きだ」と話した。

オグルルト校長とブリファール教授はソンジェ僧侶をル・コルドン・ブルーの屋上に案内した。そこには学校で育てている有機農菜園があった。そこで別のミニトマトとイチゴ、カボチャとニンジン、各種ハーブを料理実習材料で使うと言った。野菜をひとかかえ摘んでソンジェ僧侶に渡したオグルルト校長は、「米国を中心に遺伝子組み換え生物(GMO)製品が商業的に大量生産されている。したがって食べ物に対する私たちの不信も大きくなっている。『自然そのまま』に込められた価値を悟ることが本当に重要だ。寺刹料理には自然に向けられた尊重が込められている」とし、ソンジェ僧侶を「名誉大使」に委嘱した。ソンジェ僧侶は29日にル・コルドン・ブルーとともにフランス2大料理学校に挙げられるエコール・フェランディでも寺刹料理特講をした。

韓仏修交130周年を迎え先月24~30日に大韓仏教曹渓宗(チョゲチョン)総務院長のチャスン僧侶は文化事業団を率いてパリを訪問した。寺刹料理特講はこの行事の一環だった。曹渓宗は「1700年韓国伝統山寺と修行者の人生」と題する行事を行い、フランス文化界の主要人物を招いて寺刹料理晩餐も行った。チャスン僧侶はジャック・ラング元仏文化相手と対談し、修徳寺(スドクサ)のソルジョン僧侶はパリの国立東洋言語文化研究所で韓国仏教講演をした。講演直後に「出家したい」とフランスの学生が訪ねてきたりもした。
COPYRIGHTⓒ 中央日報日本語版  2016年11月02日 13:18
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