「韓国の教会、資本主義的企業に変形」

２０１７年は宗教改革５００周年の節目の年だ。１９日、ソウル鍾路（チョンノ）の韓国キリスト教会館で「宗教改革５００周年記念討論会」が開かれた。韓国キリスト教教会協議会（ＮＣＣＫ）が主催したこの日の討論会では、改新教（プロテスタント）内部に向かう自省と叱責の声があふれた。

討論者として登場したヤン・ヒョンヘ梨花（イファ）女子大キリスト教学部教授は「教会は現世の富と成功を神の祝福として強調し、信者に有能な資本主義的生産人たることを福音の名のもとで祝福し促している」とし「教会自体が資本主義的企業に変形しつつある」と指摘した。

ヤン氏は「教会の大型化」にも懸念を示した。韓国内におよそ５万カ所ある教会のうち日曜日の礼拝に１万人以上集まるメガチャーチは１９カ所になる。半面、韓国の教会の６０％は信者数が５０人未満の規模の小さな教会だ。ヤン氏は「にもかかわらず、教会が大型化に成功した少数の教会を羨んでいる。実際の成功とは関係なく、多くの教会が大型教会の組織原理と信仰言語を模倣している。教会の大型化を成功した牧会や正しい牧会の尺度としている」とし「成功した牧会と正しい牧会の基準を大型化に置いてしまえば、教会と企業が混同するほかない」と述べた。

実際、社会学者デービッド・マーティン氏は韓国改新教の文化を「霊的企業文化（Ａ　ｓｐｉｒｉｔｕａｌ　ｅｎｔｅｒｐｒｉｓｅ　ｃｕｌｔｕｒｅ）」と痛烈に皮肉ったことがある。ヤン氏はこの言葉を引用して「イエス様の足元に高価な香油を注ぐ女性のように『愛』という『高貴な浪費』を教えるキリスト教の精神は資本主義精神を批判して新しい生き方を探ろうとするものだ。ところが韓国の教会は教会と企業がないまぜになっていて、『高貴な浪費』として成熟することができない奇形的宗教に成り下がってしまった」と批判した。ヤン氏はまた、キリスト教を「成功の宗教」として誤って導こうとするすべての「霊的企業家文化」に抵抗しなければなければならないと付け加えた。

この日の討論会はキム・ジュハン韓神（ハンシン）大教授の司会で行われた。チェ・テユク牧師（イエス様の教会）は「虐殺とキリスト教徒の排他性」を、ソン・ベッゴル教授（白石大）は「民主化以降、韓国の教会が歩んできた道を反省しながら」を主題に発表した。