韓国旅行「コネスト」 <インタビュー>「現実を生きる力与えたい」よしもとばななさん。韓国の社会・文化ニュース
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<インタビュー>「現実を生きる力与えたい」よしもとばななさん

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【ソウル26日聯合】韓国や中国、香港、台湾などアジアはもちろん、欧米や中東も含め世界各国で人気を誇る作家のよしもとばななさん(44)が、26日に初めて訪韓した。著作「王国」(1~3巻)の韓国出版を記念し行われた記者懇談会には20人以上の取材陣が詰め掛け、関心の高さをうかがわせた。よしもとさんは5歳のころから作家を目指し24歳でデビュー、感性を大事にした作品を数多く出版してきた。韓国でもこの10年間で「キッチン」「哀しい予感」「とかげ」など、10冊余りが翻訳・出版されている。
 よしもとさんは著書の読者層を尋ねる質問に、「思春期の心が繊細な人々、世の中とうまくいかないと感じている感受性の高い人々」と答えた。自身の小説は私小説の対極にある寓話(ぐうわ)だと述べ、「心が傷ついた人が小説という1つの世界に入り、出てきたときには入ったときよりも、旅をしたような、あるいは温泉につかったような癒された気分になっていてほしいですね」と言葉を選びながら語った。

 日本で2002年から2005年にかけ順次発売された小説「王国」は、著書の中でも特にファンタジー性、寓話性の強い作品だが、よしもとさんは「急激な社会の変化に巻き込まれ困難にある若者に、自分が幼少のころにそうだったようにファンタジーで現実を生きる力を与えたい」と強調した。

 著書が日本にとどまらず各国で愛されている理由については、感受性の強い人はどの国にでも存在し、また自分のなかで非常にうまく書けたときに小説が普遍的な力となり広く働きかけるのでは、と答えた。

 自らを「面倒くさがりであまり旅行をしない」と評したよしもとさんが訪韓するに至ったのは、公式サイトに寄せられる多数の韓国人ファンからのメールも大きく影響している。日本語で一生懸命メールを書いてくるファンも多いほか、よしもとさんの小説を大学の卒業論文として研究しており、質問を送ってくる人も年に数人はいるという。

 初めて韓国の地を踏んだ印象を尋ねると、「日本には韓国人の友人も多く、韓国料理もよく食べる方なので、初めてとはいえ知らない国ではないようです」と答えた。一番好きな料理はスンドゥブチゲ(おぼろ豆腐の鍋)で、「週に2回くらい食べます」と笑った。今回は3日間しか滞在しないため難しいが、日本人にもなじみ深い韓国の地方の景色を見てみたいと話した。

 よしもとさんだけでなく、韓国では村上春樹さんや江國香織さんをはじめ日本人作家の小説が幅広く翻訳出版されているが、文学界にこうした「日流」ブームが起きている理由はどこにあるのだろうか。「日本人の小説はことさら日本という国を強調するのでもなく、若者に共通した感情を扱っているものが多いですが、そうした心のひだを丁寧に描いた作品が、若者や本が好きな人に何かを思い出させるのではないでしょうか」。

 今後の作品の方向性については、5年前に子どもが生まれてからは幅広い取材が難しく、ファンタジーなど特定ジャンルに焦点を当てた作品を手がけていたが、子どもの手も離れてきたことから、またあらゆる要素を盛り込んだ小説を書いていきたいと意欲を示した。(記事=小松朋子)


COPYRIGHTⓒ YONHAP NEWS  2008年05月27日 07:56
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