弾みがついた韓・メキシコFTA…交渉再開に向け実務協議体を年内稼働

朴槿恵（パク・クネ）大統領とメキシコのペニャ・ニエト大統領が３日（現地時間）、首脳会談を開き、韓・メキシコ自由貿易協定（ＦＴＡ）交渉再開に向けて実務協議体を構成し、年内に稼働させることで合意した。

両首脳はこの日、メキシコシティで単独・拡大首脳会談、協定署名式、共同記者会見を順に行った。両首脳間の会談は２０１３年１０月にインドネシアで開催されたアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）首脳会議以来２回目となる。

韓・メキシコＦＴＡ交渉は２００８年６月にメキシコ自動車業界の反対で中断した。したがって実務協議体が稼働すれば事実上８年ぶりに両国はＦＴＡ交渉再開の契機を得る。

安鍾範（アン・ジョンボム）青瓦台（チョンワデ、大統領府）経済首席秘書官は「実務協議体の議論は交渉再開宣言の前の段階と見ればよい」とし「今回の両国の合意は、我々が環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）加入時にメキシコが支援するという意味も含んでいる」と述べた。続いて「米大統領選挙、各国の批准手続きなどでＴＰＰ交渉が不確かな状況で、両国間ＦＴＡ議論がお互いに利益をもたらすという判断から実務協議体の構成に合意した」と説明した。両首脳は経済分野の了解覚書（ＭＯＵ）２９件を含む計３４件のＭＯＵを締結した。このため両国間で過去最大の経済協力関係を構築する成果を出したというのが青瓦台の説明だ。

安首席秘書官は「メキシコは世界最大消費市場である北米輸出のための前哨基地であり、中南米最大の貿易パートナー」とし「今回の首脳会談を通じて北米・中南米市場進出拡大の橋頭堡を用意したことには大きな意味がある」と述べた。また両国はエネルギー分野（１７０億ドル、約１９兆５５００億ウォン）だけでなく、交通・水資源などメキシコの大規模なインフラ事業に韓国企業の参加を推進することで合意した。

安首席秘書官は「まだ交通・水資源分野では具体的な事業規模が出ていないが、韓国企業の多くの参加が予想される分野」と述べた。メキシコは国家インフラプログラム（２０１４－１８年）に基づき、交通・通信・エネルギー・水資源など６分野・計７４３件のプロジェクトに５９００億ドルを投資する計画だ。

このほか、両首脳は両国間の電子商取引協力を通じて約１億４０００万ドル水準の市場規模を２０１８年までに３億ドルに増やし、保健医療・エネルギー新産業・文化など高付加価値分野に協力の範囲を拡大することで一致した。

◆「ムチャス・グラシアス」＝朴大統領はメキシコシティのメトロポリタン劇場で開かれた「韓・メキシコ文化交流公演」にも出席し、韓流支援外交を行った。

ＩＮＦＩＮＩＴＥ（インフィニット）などアイドルグループが参加したこの日の行事では、３２００席の公演会場がメキシコ韓流ファンで埋まった。

朴大統領は「これからも韓国文化を愛してください。私も今日のように文化を通じて両国が疎通し、一つになる機会を作れるよう努力したい」と述べ、スペイン語でムチャスグラシアス（どうもありがとう）とあいさつした。