首脳会談は韓日関係をアップグレード、日本の専門家

山口県立大学国際文化学部の浅羽祐樹講師は23日、今回の韓日首脳会談が韓日関係を一層発展させる契機になったと高く評価した。

浅羽氏は聯合ニュースのインタビューや自身のブログに掲載した首脳会談の意義を記したコラムで、「今回の日韓首脳会談の意義は、日韓関係を『今の』『二国間の』『政治だけ』のものから、『次世代を見通した』『国際社会の中での』『重層的な関係』へとアップグレードさせようと両国首脳が総論で合意した点だ」と評した。ただ、韓米首脳会談と同じく、韓日間の懸案は今回持ち出されなかっただけで、今後どのように各論を詰めていくかが重要だと強調している。韓日の最大の懸案としては自由貿易協定(ＦＴＡ)、経済協力、在日コリアンの地方参政権問題、歴史問題などを挙げた。

また、李明博(イ・ミョンバク)大統領が日本のＴＢＳの番組に出演した際に言及した過去の問題に関しては、過去が未来を共有するうえで支障になってはならないという基本的なビジョンを提示したことは従来と同じ立場だが、加害者と被害者の立場は異なるという「ライトモチーフ」が強く出ていたのが印象的だったとした。李大統領にはこうしたものがないとして見誤れば、(韓日関係が急速に悪化した)2005年の前轍を踏みかねないことに注目すべきだとしながら、過度な期待をいさめた。韓国では知日派の間でも両国の関係改善を「条件付き」としてみていると強調している。

浅羽氏は過去史問題の望ましい方向として、認識の違いが争点にならないよう慎重に管理することが大切だとした。意図せず争点化した場合にもほかの次元に結びつけてはならず、リーダーが共通点に立脚した大局的な見方を堅持することが重要との見解を示した。