‘フィギュアの妖精’金妍兒が‘ミス・サイゴン’に変身

#１ショートプログラム

ヨハン・シュトラウス?のオペレッタ「こうもり」（Ｄｉｅ　Ｆｌｅｄｅｒｍｏｕｓ）の序曲に合わせて金妍兒（キム・ヨナ、１７、軍浦スリ高２）のスケートが銀盤を滑走する。 軽快なリズムが続くと、金妍兒は滑稽な表情を見せる。 リズムに合わせて続く拍手は非常に楽しい祭典だ。

#２フリー

ヘリコプターの音とともにミュージカル「ミス・サイゴン」（Ｍｉｓｓ　Ｓａｉｇｏｎ）の前奏曲が流れ出すと観客は沈黙に浸る。 主人公のキム役に没入する金妍兒の演技は「ミス・サイゴン」のハイライト「世界が終わる夜のように」（Ｔｈｅ　ｌａｓｔ　ｎｉｇｈｔ　ｏｆ　ｔｈｅ　ｗｏｒｌｄ）でピークに達する。

‘フィギュアの妖精’金妍兒が２８日（日本時間）、合宿地のカナダ・トロントで０７−０８シーズンの新しいプログラムを公開した。 ６月９日にトロント入りした後、ブライアン・オーシャー・コーチ（４６、カナダ）、振付師デビッド・ウィルソン・コーチ（４１、カナダ）と新しいプログラムを準備してきた。

背景音楽を「こうもり」の序曲と「ミス・サイゴン」の編集曲に決めた後、３人は振り付けを考えてきた。 新プログラムの最初の舞台は１１月の中国・北京グランプリ大会。

ウィルソンコーチは「金妍兒を初めて見たとき笑顔がとてもかわいいと感じた」とし「選曲と振り付けは‘どうやってその微笑みを人々に最もよく伝えられるか’という考えからスタートした」と語った。

オーシャーコーチは「初めて曲を聞かせたとき、金妍兒は全身で音楽を感じるようだった」とし「昨シーズンの‘ロクサーヌのタンゴ’（ショートプログラム）、‘あげひばり’（フリー）とは全く違う雰囲気」と説明した。

これまで女性らしさを強調したとすれば、今回は軽快かつコミックな振り付けを加味した。 ショートプログラムの技術は特に変わっていない。 しかしフリーでは２度のトリプルコンビネーションの間に難易度が高いトリプルループを追加する計画だ。

この日、金妍兒は自分の日課も公開した。 毎日午前８時半に家を出て、練習場のトロント「クリケットスケート＆カーリングクラブ」に向かう。 昨シーズン体力で苦しんだ金妍兒は、先週までリンクでの練習よりも体力トレーニングに重点を置いてきた。

チャン・ナムジン体力担当コーチ（２６、女性）は「当初は両足で５ポンド（約２．２７キロ）を１０回も上げられなかったが、今では４５ポンド（２０．４１キロ）を４０−５０回ずつ上げる」とし「目標体力の７０％程度で、９月までに１００％に押し上げる計画」と語った。

午後にはスケートリンクでの練習。 痛めていた腰が回復し練習も続けてきたため、スピンとスパイラルもかなり良くなった。 合宿に来た国家代表ニューフェースのキム・ヒョンジョン（１４、バンサン中３）ら後輩７人も演技を見守る。

ハードな練習が終わってようやく家に帰っても夕食は制限されている。 体重管理のため一日３食のうち量が最も少ない。 母パク・ミヒさんは「かわいそうだけど仕方がない。練習の合い間に炭水化物を補給し、ソウルから持ってきた薬をずっと飲んでいる」と話した。 夕食後には‘ワールドスター’にふさわしい語学実力を身につけるため英語の個人レッスンを受ける。

金妍兒は「体が疲労して朝起きるのがつらいが、ソウルに比べると環境がよく、配慮してくれる人も多い」とし、「頑張って準備しているので良い結果を出したい」と意欲を見せた。

トロント＝張恵洙（チャン・ヘス）記者