「国際標準は戦いのルールと同じ…先に獲得してこそ輸出戦争で勝利」

「国際標準を先に獲得してこそ銃声なき輸出戦場で容易に勝つことができる」。

７月に就任した諸大植（チェ・デシク）国家技術標準院長は「保護貿易の障壁を取り払うためにも国際標準を先に獲得する必要がある」とし、このように述べた。自由貿易協定（ＦＴＡ）が加速する中、厳しい技術規制など「非関税障壁」を通じた新保護貿易主義が拡散しているからだ。

例えば中国が自国で豊富な資源をもとにバッテリーを作る方式を国際標準とする場合、その資源がない国に見えない技術障壁を築くのと変わらない。

こうした「標準戦争」で成功した代表事例が韓国が主導して作った「ＭＰＥＧ」（動画・オーディオ圧縮標準）だ。ＭＰＥＧを開発したことで、情報技術（ＩＴ）強国の韓国はスマートフォン・デジタルテレビ・ＤＶＤプレーヤーなどを輸出する際、映像を具現する方式までロイヤルティーを受ける。諸院長は「標準は『戦いのルール』と同じだ。他人が作ったルールに基づいて戦うのと、自分が作ったルールに基づいて戦うのでは大きな差がある」と話した。

国家技術標準院は国内企業にとって頼もしい標準支援軍だ。諸院長は「一般人には馴染みが薄いが、標準院は標準を作って試験・認証し、うまく作られた標準を国際化し、競争国で国際標準に従わない場合に対応するなど国家競争力を高めるのに寄与している」と紹介した。

産業研究院は標準が毎年国内総生産（ＧＤＰ）成長率の０．８％、金額にすると１０兆４０００億ウォン（約１兆円）の経済価値を創出すると分析している。諸院長は用紙やボルト・ナットの規格、電圧の単位、信号まで日常生活のあちこちで標準が影響を及ぼしているにもかかわらず、一般の関心が低いことに遺憾を表した。

「韓国企業の技術力は世界的に優秀だが、この技術に翼をつける標準に対する参加は落ちる。国際標準化会議が開かれれば、先進国は企業の参加比率が７０％にのぼるが、韓国は２０％ほどにすぎない」。

１６２カ国の標準専門家が集まって標準化戦略やビジョンを議論する「標準オリンピック」格の国際標準化機構（ＩＳＯ）総会が１４－１８日、ソウル小公洞（ソゴンドン）のロッテホテルで開催される。韓国はＩＳＯに加盟して５２年目だが、今回が初めて自国での総会開催となる。

諸院長は「ＩＳＯ総会開催を通じて国民企業が標準の重要性を認識し、標準化に積極的に参加する契機になればいい」とし「標準に対する関心が高まるほど第２、第３の『ＫＳマーク』も増えるだろう」と述べた。